馬見塚メモ漏洩の次は池田検事・清水検事の呼出書が流出

目次

鹿児島地検は「大規模合同捜査」の費用対効果を説明せよ

検察ユニオンは、熊本国税局と鹿児島地方検察庁をめぐる情報管理について、改めて社会へ問題提起します。

逮捕、告発、起訴の見通しを含むとされる「馬見塚メモ」が、実際の逮捕よりかなり以前から多数の関係者へ流通していたとされる問題に続き、今度は、鹿児島地検が東京都内の関係者へ送付した呼出書の画像が外部へ流通しています。

検察ユニオンが把握している情報では、当該書面に記載された池田氏と清水氏は、いずれも本件を担当する検事です。

鹿児島地検が異なる説明をするのであれば、両名の正式な職名、担当権限、書面の作成者および決裁者を明らかにしてください。

検察審査員11人の氏名を流出させた山口地検

毎日新聞は2026年6月、山口地検岩国支部が、秘匿されるべき検察審査会の審査員11人の氏名を記載した文書を外部へ送付していた問題を報じました。

当初、山口地検は流出文書を回収せず、審査員側も了承しているとの趣旨を説明していました。

しかし、審査員本人は毎日新聞の取材に対し、文書の回収を求め、地検側の説明について「意味が分からない」と困惑を示したと報じられています。

その後の報道では、岩国支部長だった検事が、部下の副検事に審査員の氏名を明記するよう誤った指示をしたことが、流出の原因だったとされています。

つまり、検察の情報流出は、名もない末端職員による単純ミスとして片付けられる問題ではありません。

検事による指示、組織の初動、被害者への説明、文書回収の遅れまで含めた、検察組織全体の情報管理の問題です。

参考:毎日新聞「説明『意味が分からない』 氏名流出の検察審査員、地検側に困惑」

馬見塚メモの次に外部流通した池田・清水両検事の呼出書

今回外部へ流通した鹿児島地検の書面は、2026年6月19日付で作成され、東京都内の関係者に対し、同月22日午後3時に鹿児島地方検察庁へ来庁するよう求めています。

東京から鹿児島まで来るよう求めながら、書面の作成日と指定日時の間は、わずか3日です。

郵送状況によっては、受取人が書面を確認した時点で、既に航空券、宿泊、仕事の調整が事実上困難になっていた可能性があります。

しかも、用件欄には具体的な法律名ではなく、「中野爵喜との共謀による税法違反の件」と記載されています。

「税法」は、租税に関係する多数の法律をまとめて表す一般的な呼び方です。

消費税法違反なのか、法人税法違反なのか、所得税法違反なのか。

どの法律の、どの行為について、どのような立場で事情を聴きたいのかが明示されていません。

人を東京から鹿児島へ呼び出し、正当な理由なく出頭しなければ逮捕の可能性まであると記載するのであれば、少なくとも事件と法的根拠を理解できる程度に特定すべきです。

この書面の強引さは誰が承認したのか

池田検事と清水検事は、この日程設定を合理的だと判断したのでしょうか。

東京都内の関係者に対し、3日後に鹿児島へ来るよう求めることが、適切な捜査実務なのでしょうか。

本人へ電話し、都合を確認する。

東京都内や神奈川県内で聴取する。

近隣の検察庁と連携する。

鹿児島地検の担当者が出張する。

いくらでも方法はあります。

それをせず、突然書面を送り、「来なければ逮捕される可能性があります」と告げる姿勢は、任意の参考人聴取というより、威圧によって出頭させようとしているようにも見えます。

馬見塚メモも呼出書も、なぜ外へ出続けるのか

本件では、逮捕・告発・起訴の見通しが記載されたとされる馬見塚メモが、実際の捜査より前から複数方面へ流通していました。

さらに今回は、鹿児島地検の担当検事名、直通電話番号、対象事件、呼出日時を記載した書面まで外部へ流通しました。

受取人側が、書面の異常性を社会へ訴える公益目的で公開したのであれば、その公開に至った背景を鹿児島地検は重く受け止めるべきです。

受取人以外の経路から流出したのであれば、鹿児島地検内部の情報管理を調査する必要があります。

山口地検の事件を見ても、「検察が扱う情報だから安全である」という前提は、既に崩れています。

大規模合同捜査の税事件の成果は現時点で約7,800万円

報道で確認できる範囲では、中野爵喜被告について、最初に起訴された消費税法違反等の脱税額は約1,200万円です。

その後、別法人に関する法人税法違反等で約6,600万円を脱税したとして追起訴されました。

現時点で報道されている税事件の脱税額を合計すると、約7,800万円です。

約7,800万円は、決して軽視してよい金額ではありません。

しかし本件では、全国各地における一斉査察、多数の法人・個人からのPC、スマートフォン、帳簿等の差押え、カンボジアを含む海外関係者、ラストワンマイル社と多数の関係会社、馬見塚メモに描かれた複雑な資金還流図まで問題とされてきました。

関係者からは、過去最大級の人員を投入した大規模事件であるとの説明を受けたという情報も寄せられています。

それだけの人員、時間、旅費、押収物の保管費、デジタル解析費を投じた結果として、現時点で明らかになった税事件が約7,800万円なのであれば、熊本国税局と鹿児島地検は、費用対効果と今後の捜査計画を説明すべきです。

大風呂敷を広げたことではなく、畳まないことが問題です

大規模捜査をしたこと自体が問題なのではありません。

多数の法人・個人から端末や帳簿を持ち去り、長期間返還せず、反対証拠を持つ関係者への事情聴取を途中で止め、その一方で、馬見塚メモに中心人物として記載された者への捜査が見えないことが問題なのです。

約7,800万円で事件が終了するのであれば、馬見塚メモに並べられたラストワンマイル社、渡辺誠氏、複数の関係会社、貸付金、外注費、広告費、株式、エンジェル税制の記載は一体何だったのでしょうか。

単なる捜査用プレゼンテーションだったのでしょうか。

大事件に見せるための大風呂敷だったのでしょうか。

それとも、今後、ラストワンマイル周辺を含む追起訴が続くのでしょうか。

「架空の合同調査」と言われないため、対面聴取を続けてください

検察庁は公式に、警察等から送付された記録を確認するだけでなく、その内容が真実であるか確かめるため、必要に応じて事件の当事者から直接事情を聴くと説明しています。

刑事訴訟法上、検察官と検察事務官は、捜査上必要があれば管轄区域外でも職務を行うことができます。

したがって、東京都や神奈川県にいる参考人全員を、鹿児島へ呼び付ける必要はありません。

鹿児島地検の検事が現地へ赴くこともできます。

東京地検、横浜地検などと連携して、近隣の庁舎で聴取する方法も考えられます。

オンラインで概要を確認した上で、本当に必要な人物だけに対面聴取を行うことも可能です。

もちろん、情報提供者全員に、検察官との対面聴取を受ける権利が自動的に発生するわけではありません。

しかし、鹿児島地検側から対面聴取の意向を示したにもかかわらず、その後何の連絡も行わず放置するのであれば、本当に真相を解明する意思があったのか疑われます。

「熊本国税局から事件を渡されました」

「東京から鹿児島へ来るよう書面を出しました」

「その後は連絡しません」

これでは合同捜査ではなく、合同で責任を丸投げしているだけに見えます。

公開法廷で成果を示してください

起訴後の公判日程は、検察だけで決められるものではありません。

それでも検察には、証拠開示と争点整理へ適切に対応し、公開法廷で速やかに立証を始められるよう努める責任があります。

馬見塚メモには、「告発、起訴、逮捕」といった勇ましい言葉が並んでいました。

それほど確実な証拠があり、それほど巨大な不正全体図を描いていたのであれば、公開法廷で証拠を示し、必要な追起訴を行うことは難しくないはずです。

反対に、長期間の査察と大量の差押えを行いながら、追起訴も公開審理も進まず、関係者への事情聴取すら途中で止まるのであれば、「成果も説明できない税金泥棒ではないか」という厳しい批判を招いても不思議ではありません。

検察ユニオンは、国税・検察職員を一律に税金泥棒と断定しているのではありません。

そのような批判を免れるためにも、投入した人員、期間、費用、捜査範囲、起訴した内容、押収物の管理状況、今後の計画を説明するよう求めています。

鹿児島地検・福岡高検・熊本国税局への公開質問

書面と情報管理について

  1. 池田検事および清水検事は、今回公開された呼出書に記載された担当検事で間違いありませんか。
  2. 両検事は、書面の期限、用件欄、持参物および逮捕可能性を示す注意書きを確認し、承認しましたか。
  3. 東京都内の関係者に、作成日から3日後の鹿児島出頭を求めた合理的理由は何ですか。
  4. 具体的な法令名を記載せず、「税法違反」とした理由は何ですか。
  5. 当該書面が外部へ流通している事実を把握していますか。
  6. 流通経路について内部調査を行いましたか。
  7. 馬見塚メモの流出と併せて、情報管理を検証しましたか。

捜査規模と成果について

  1. 本件へ投入した職員数、捜査期間、差押先数、押収物数を明らかにできますか。
  2. 現時点で公表されている約7,800万円の税事件以外に、追起訴を予定していますか。
  3. 馬見塚メモに記載されたラストワンマイル社、渡辺誠氏、関係法人および資金移動を全て調査しましたか。
  4. 調査対象から除外した人物・法人がある場合、その基準は何ですか。
  5. 長期間返還していない押収物ごとに、現在も留置する必要性を説明できますか。

対面聴取について

  1. 対面聴取の意向を示した後、連絡していない関係者が存在しますか。
  2. 存在する場合、聴取するのか、しないのかを本人へ説明しますか。
  3. 東京・神奈川の関係者について、管轄区域外での聴取や他の検察庁との連携を行いますか。
  4. 中野被告や国税側の筋書きに反する資料を持つ人物についても、公平に事情聴取しますか。
  5. 公開法廷で速やかに証拠を検証できるよう、証拠開示と争点整理へ協力しますか。

大風呂敷を広げた側が最後まで責任を持ってください

情報を漏らす。

大人数を投入する。

遠方の関係者を突然呼び出す。

大量の押収物を長期間保持する。

そこまで行ったのであれば、最後まで網羅的に調べ、公開法廷で結果を示してください。

約7,800万円で終わるのか。

馬見塚メモに描かれたラストワンマイル周辺へ捜査を進めるのか。

それとも、最初から存在しない巨大事件を演出した「架空の合同調査」だったと批判されるのか。

その答えを出す責任は、鹿児島地検、福岡高検、熊本国税局にあります。

国税ユニオンと検察ユニオンはこちらから

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