【検察ユニオン】中野爵喜報道での旅券返納命令作戦は誰が漏らしたのか

目次

国税・検察は情報漏洩だけ無制限に許されるのですか

中野爵喜被告に関する報道では、鹿児島地方検察庁が、国外に移住しているとする「共犯者」について、外務省へ旅券返納命令を要請したと伝えられています。

非常に具体的な捜査情報です。

誰を国外共犯者とみているのか。

検察が外務省へ何を要請したのか。

旅券を失効させ、帰国または国外移動を制限する作戦を進めているのか。

これらは、本来、捜査対象者へ事前に知られれば、逃亡、証拠隠滅、国籍・滞在資格への対策、別旅券の取得その他の対応を許しかねない情報です。

ところが、この情報は堂々と報道されました。

しかも鹿児島地検は、中野被告本人の認否については「証拠の内容に関わる」として明らかにしていません。

本人が罪を認めているかどうかは秘密。

一方で、国外関係者に対する捜査作戦は公表。

鹿児島地検の秘密の基準は、どうやら相当に個性的なようです。

外務省は実際に旅券返納命令を出したのか

報道で確認できるのは、鹿児島地検が外務省へ旅券返納命令を要請したという点までです。

外務省がその要請を受け入れたのか。

実際に返納命令を発出したのか。

対象者に命令が到達したのか。

旅券が返納・失効したのか。

現時点の公開情報からは明らかではありません。

旅券返納命令は、検察が単独で発令するものではありません。

旅券法に基づき、外務大臣が所定の要件と手続を踏まえて判断する行政処分です。

したがって、鹿児島地検が要請しただけで、自動的に旅券が失効するわけではありません。

要請が通ったなら、なぜ作戦を漏らしたのか

仮に外務省が鹿児島地検の要請を受け、旅券返納命令を出していたのであれば、その対象者と手続について慎重な情報管理が必要です。

ところが、要請の存在が報道されれば、対象者または周辺人物は、自分が疑われている可能性を知ることができます。

検察は、なぜそのような情報を報道機関へ説明したのでしょうか。

既に命令が完了しており、捜査への影響がないと判断したのでしょうか。

それとも、国外関係者へ心理的圧力を加えるため、意図的に情報を公表したのでしょうか。

あるいは、正式な広報ではなく、誰かが不用意に漏らしたのでしょうか。

要請が通らなかったなら、検察は誰に利用されたのか

反対に、外務省が要請を受け入れていないのであれば、問題はさらに奇妙になります。

実現するか分からない捜査方針だけが先行して報道され、対象者とみられる人物の社会的信用を傷つける結果になった可能性があるからです。

捜査機関は、具体的な根拠を持って国外共犯者を特定していたのでしょうか。

中野被告またはその周辺人物から提供された情報を、そのまま信用したのではないでしょうか。

中野被告が、自分に都合の悪い人物を「国外共犯者」として捜査させようとしていた可能性は検証されたのでしょうか。

外務省が要請を拒否したのであれば、鹿児島地検は、中野被告らによって作られた筋書きに乗せられた可能性についても検証すべきです。

馬見塚メモも逮捕情報も旅券作戦も、なぜ外部へ漏洩するのか

本件では、逮捕・告発・起訴の見通しを含むとされる「馬見塚メモ」が、実際の逮捕より前から複数方面へ漏洩していた疑いがあります。

さらに、中野被告の逮捕前後には、逮捕時期、捜査対象、共犯者、国外関係者などに関する情報が、関係者の間で漏洩していたとの申告があります。

そして今度は、検察による外務省への旅券返納命令要請まで報道されました。

国税庁自身は、提供を受けた個人情報や情報内容を外部へ漏らさず、国税職員には厳格な守秘義務があると説明しています。

国税庁はまた、税務調査で知った秘密を漏らした職員には、一般の国家公務員より重い税法上の刑罰が科され得ると説明しています。

建前は非常に立派です。

しかし、本件の関係者から見れば、捜査の筋書き、逮捕見通し、関係者名、資金図、旅券作戦まで、かなり多くの情報が外部へ漏洩しているように見えます。

守秘義務は、パンフレットの中だけに存在するのでしょうか。

前澤氏の税務情報漏洩問題と同じ構造ではないか

過去にも、著名人の税務情報や国税内部の調査情報が外部へ漏れたのではないかとして、社会的問題となった事例があります。

税務情報は、所得、資産、取引先、家族関係、銀行口座など、極めて機密性の高い情報です。

それにもかかわらず、国税・検察関係者から特定人物に関する情報が繰り返し外へ出ているのであれば、「個人の不注意」で済ませることはできません。

誰が記者へ説明したのか。

誰が関係企業へ資料を渡したのか。

誰が逮捕前から捜査見通しを話していたのか。

誰が旅券返納命令要請を報道機関へ明らかにしたのか。

情報漏洩の全体像を調査すべきです。

一番多く情報を広めた側が、後から名誉毀損を主張するのでしょうか

本件に関する人物や企業について、最も早い段階から「不正」「脱税」「共犯」「逮捕」「起訴」といった評価を多数の関係者へ伝えたのが、国税・検察関係者またはその周辺人物であるならば、極めて皮肉な構図です。

捜査機関側から流出した情報や、それを基に作成された資料が不特定多数へ広まり、その内容を検証するために市民や労働組合が問題提起をした途端、「名誉毀損だ」と反発するのであれば、それはあまりにも都合がよすぎます。

もちろん、捜査機関による漏洩があったからといって、第三者が虚偽情報を自由に拡散してよいわけではありません。

しかし、情報を最初に外へ出した側、資料を作成・提供した側、記者へ説明した側の責任が免除される理由もありません。

検察ユニオンは、公開情報、流出したとされる資料、実際の捜査経過を照合し、公益目的でその不整合を検証しています。

その検証に異論があるなら、威圧や名誉毀損の主張ではなく、正確な事実と調査結果によって回答してください。

外務省・鹿児島地検・熊本国税局への公開質問

外務省への質問

  1. 鹿児島地検から、中野爵喜被告の事件に関連する旅券返納命令の要請を受けましたか。
  2. 要請を受けた場合、対象者に対して実際に返納命令を発出しましたか。
  3. 発出していない場合、その理由は要件不足、資料不足、対象者特定の問題のいずれですか。
  4. 要請内容が報道されたことを把握していますか。
  5. 外務省側から、要請または処分に関する情報を報道機関へ提供しましたか。

鹿児島地検への質問

  1. 外務省へ旅券返納命令を要請した事実を、誰が報道機関へ説明しましたか。
  2. 要請時点で対象者は特定され、必要な証拠は確保されていましたか。
  3. 捜査方針を報道することで逃亡・証拠隠滅を招く危険を検討しましたか。
  4. 中野被告の認否は「証拠に関わる」として公表しない一方、旅券返納命令要請を明らかにした基準は何ですか。
  5. 対象者に関する情報は、中野被告、その関係者、馬見塚メモと呼ばれる資料のいずれから得ましたか。
  6. 要請が外務省に認められなかった場合、情報提供者の供述の信用性を再検証しましたか。
  7. 旅券返納命令要請に関する情報漏洩について内部調査を行いましたか。

熊本国税局への質問

  1. 国外共犯者とされる人物に関する情報を、鹿児島地検へ提供しましたか。
  2. その情報は国税局独自の客観資料によるものですか、それとも関係者の供述によるものですか。
  3. 馬見塚メモと呼ばれる資料の流通について内部調査を行いましたか。
  4. 捜査見通し、逮捕、告発、国外関係者に関する情報を外部へ漏らした職員または元職員はいませんか。
  5. 守秘義務違反の可能性について、国税庁監察官その他の部署へ報告しましたか。

漏洩した側にも、同じ法と責任を適用してください

検察ユニオンが求めていることは単純です。

市民や報道機関には厳格な責任を求めながら、国税・検察内部からの情報漏洩だけを見逃すことはやめてください。

馬見塚メモが虚偽なら、虚偽資料を作成・拡散した者を調べてください。

真実の捜査情報を含むなら、漏洩させた者を調べてください。

旅券返納命令要請が正当なら、その手続と結果を説明してください。

誤った情報に基づく要請だったなら、誰の情報によって誤ったのかを明らかにしてください。

国税と検察が最も多くの情報を外へ出しておきながら、それを検証する市民だけを責めることは許されません。

情報を漏らした側にも、情報を利用した側にも、情報によって不利益を与えた側にも、同じ法律と同じ責任を適用してください。

それが、捜査機関が語る「適正・公平」の最低条件です。

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