齊藤悟志氏によるラストワンマイル在籍中の営業と使用者責任、渡辺誠氏への利益帰属を問う
本件の「指南役」は誰だったのでしょうか。
検察ユニオンが確認した資料から浮かび上がるのは、後から説明を受けて参加した投資家ではありません。制度を先行して利用し、他者による利用を了承し、複数の相手への営業や紹介に関与し、後発の投資家へ専門家として説明し、巨額送金の場にも同席したとされる公認会計士、齊藤悟志氏です。
齊藤悟志氏は、株式会社ラストワンマイルの経営企画室長を務めた経歴を有しています。
さらに、検察ユニオンに寄せられた情報によれば、本件に関連する複数の営業・紹介行為は、齊藤悟志氏がラストワンマイルに在籍していた期間と重なり、同氏の在籍中に重点的に進められていたとされています。
これが事実であるならば、本件は、中野爵喜氏と齊藤悟志氏だけの私的な問題として処理できません。
齊藤悟志氏が、ラストワンマイルの経営企画室長という立場、信用、営業環境、人的関係又は会社の設備を背景として営業や説明を行っていたのであれば、株式会社ラストワンマイル自身の使用者責任、監督責任及び利益帰属を正面から検証する必要があります。
資料が示す齊藤悟志氏の役割は、単なる「同席者」ではありません
検察ユニオンが確認した資料によれば、齊藤悟志氏には、少なくとも次のような関与があったとされています。
- 中野爵喜氏らが説明していた制度を、自ら先行して利用したこと
- 関係会社の財務を統括する立場から、他者による制度利用を了承又は積極的に評価したこと
- 複数の相手に対する営業、紹介又は制度利用の展開に関与したこと
- 後発の投資家に対し、公認会計士として制度を説明したこと
- 投資家による巨額送金の際、銀行へ同席したこと
- 制度利用に関する着手金を受領し、後に返金したとされる記録があること
これらが事実であれば、齊藤悟志氏は、中野爵喜氏から説明を受けただけの受動的な関係者ではありません。
制度を自ら利用し、専門家として評価し、他者へ広げ、投資家へ説明し、実際の送金にも立ち会った中核人物です。
その役割を端的に表現するならば、後発の投資家を指導し、制度の信頼性を補強した「指南役」だったのではないかという疑いが生じます。
後から投資した人物を企画者にするのは、時系列を逆転させています
横浜地方検察庁の山口検事は、後発の投資家と中野爵喜氏が本件を計画したように見えるとの趣旨を述べているとされています。
しかし、確認されている時系列が正しければ、その見立ては成立しません。
後発の投資家が参加する以前から、中野爵喜氏による制度調査や行政照会が行われ、齊藤悟志氏が制度を先行利用し、他者への展開を了承し、複数の相手への営業又は紹介へ関与していたとされるからです。
その後に、齊藤悟志氏らが制度を説明し、後発の投資家が説明を信頼して参加したというのが、資料に示された時系列です。
この順序が正しければ、後発の投資家を制度の企画者と評価するためには、先に制度を利用し、他者へ広げていた齊藤悟志氏らを、後発の投資家が指揮していたことを示す明確な通信や指示が必要です。
そのような客観的証拠を示さず、「外から見れば企画者に見える」と述べるだけでは、捜査ではありません。
時系列より検察官の印象を優先しているだけです。
公認会計士という専門性が、投資判断へ与えた影響
齊藤悟志氏は、公認会計士であり、行政機関での勤務経験も有すると公表されている人物です。
税務や会計を専門としない一般の投資家にとって、公認会計士が自ら同じ制度を利用し、制度上問題がないと説明し、巨額送金の場にまで同席していれば、その説明を信用することには一定の合理性があります。
少なくとも、説明を受けた投資家が、制度を一から設計し、専門家を操り、犯罪計画を主導したという見立てよりも、専門家と先行利用者の説明を信頼したという見方の方が、時系列には整合します。
それにもかかわらず、横浜地検が齊藤悟志氏の専門的関与を十分に調べず、後発の投資家から自白を得ることへ力を注いでいるのであれば、捜査対象の選び方が逆です。
まず質問すべきなのは、説明を受けた側だけではありません。
誰が制度を設計し、誰が最初に利用し、誰が適法性を説明し、誰が営業し、誰が巨額送金へ同席したのかです。
なぜ株式会社ラストワンマイルの名前が出てくるのか
齊藤悟志氏がラストワンマイルの経営企画室長を務めていたことだけで、同社に法的責任が成立すると断定することはできません。
従業員が完全に私的な立場で行った行為について、勤務先が当然に責任を負うわけではないからです。
しかし、本件に関連する営業や紹介がラストワンマイル在籍中に行われていたのであれば、会社は「齊藤悟志氏個人の話です」と述べるだけでは済みません。
齊藤悟志氏が、営業又は説明の際に、次のような会社との結び付きを利用していなかったかを調べる必要があります。
- ラストワンマイル経営企画室長という肩書き又は信用
- 会社のメールアドレス、電話番号、端末又は通信環境
- 会社の会議室、事務所その他の設備
- 会社の従業員、営業担当者又は取引先との人的関係
- 会社が保有する顧客情報、営業先情報又は紹介先情報
- ラストワンマイルのコールセンター及び営業組織
- 会社の経費、交通費、交際費その他の資金
- 渡辺誠氏その他の経営陣による承認、指示又は黙認
これらの一つでも利用されていたのであれば、本件行為とラストワンマイルの事業との関連性は強まります。
特に同社は、コールセンター、営業代行、法人向け販売、顧客データを利用した収益支援を事業としています。
その営業基盤の中で、経営企画室長が別の投資又は税制利用を営業していたとすれば、完全な私的行為だったのか、会社業務の延長だったのかを、具体的な記録で区別しなければなりません。
使用者責任は、在籍していたという一事だけでは決まりません
民法上の使用者責任は、被用者が会社の事業の執行について第三者へ損害を与えた場合に問題となります。
したがって、株式会社ラストワンマイルの使用者責任を認定するには、前提として、齊藤悟志氏の説明、営業又は勧誘に違法な虚偽説明、重要事項の不告知その他の不法行為が存在したのかを確認する必要があります。
その上で、当該行為がラストワンマイルの業務とどの程度関連していたのかを検討することになります。
重要なのは、会社が社内で正式に業務命令を出したかだけではありません。
会社の肩書きや信用を利用し、外部から会社の業務として見える状態で行われたのか。会社の人員、設備、顧客接点又は営業網を使用したのか。会社又は経営陣が利益を得たのか。会社が行為を知りながら止めなかったのか。
これらは、使用者責任だけでなく、会社自身の監督上の過失や共同関与を検討する上でも重要です。
経営企画室長の行為を、会社は把握していなかったのですか
経営企画室長は、通常、会社の経営戦略、資本政策、事業計画、投資、提携その他の重要事項に接する立場です。
その人物が、在籍期間中に、税制優遇を利用した投資の営業、紹介、制度説明又は送金への同席を繰り返していたのであれば、会社は本当に何も把握していなかったのでしょうか。
会社の勤務時間中に行われていなかったか。会社の連絡手段が使用されていなかったか。経営陣への報告がなかったか。営業先が会社の取引先又は関係者と重なっていなかったか。
これらを確認すれば、会社が関与していたのか、黙認していたのか、全く知らなかったのかを判断できます。
確認もしないまま「元従業員の私的行為」で終わらせることはできません。
報酬と利益の最終的な帰着先を調べてください
本件で極めて重要なのは、営業、紹介、制度設計又はコンサルティングによって生じた報酬や経済的利益が、最終的にどこへ帰属したのかです。
検察ユニオンは、現時点で確認している資料だけから、報酬が間違いなく株式会社ラストワンマイル又は渡辺誠氏へ渡ったと断定するものではありません。
証拠を確認せず、結論だけを先に決めることは、検察ユニオンが横浜地検へ批判している捜査方法と同じになってしまうからです。
しかし、齊藤悟志氏がラストワンマイル在籍中に営業や紹介を行っていたのであれば、報酬の流れを調べる合理的な理由は十分にあります。
確認すべきなのは、齊藤悟志氏個人への直接送金だけではありません。
- 株式会社ラストワンマイル又はその関係会社への送金
- コンサルティング料、紹介料、営業手数料、成功報酬その他の名目による支払い
- 渡辺誠氏又はその関係先への直接又は間接の送金
- 株式、新株予約権、貸付金、債務免除その他の経済的利益
- 会社の売上、立替金、預り金又は仮勘定として処理された金銭
- 第三者や別法人を経由した還流
- 会社経費として負担された営業費、交通費及び接待費
これらを銀行口座、総勘定元帳、請求書、契約書、メール及びチャットによって確認すれば、利益の最終的な帰着先は明らかになります。
仮に株式会社ラストワンマイル又は渡辺誠氏へ利益が流れていたのであれば、本件を齊藤悟志氏個人の私的活動として説明することは、さらに困難になります。
渡辺誠氏は、齊藤悟志氏の活動を知っていたのですか
齊藤悟志氏が経営企画室長として勤務していた当時、渡辺誠氏その他の経営陣は、同氏の社外活動、投資勧誘、税制利用の営業及びコンサルティングをどこまで把握していたのでしょうか。
経営企画室長が複数の相手へ営業を行い、巨額の投資判断に関与していたにもかかわらず、会社の経営陣が全く知らなかったのであれば、それ自体が内部統制上の重大な問題です。
反対に、経営陣が知り、承認し、紹介先を提供し、又は利益を受け取っていたのであれば、会社と渡辺誠氏の関与は、より直接的な検証対象となります。
どちらに転んでも、「会社には関係がありません」という一言では終わりません。
知らなかったのであれば、なぜ経営企画室長の活動を把握できなかったのか。
知っていたのであれば、誰が承認し、何の目的で行わせ、どの利益を得たのか。
株式会社ラストワンマイルと渡辺誠氏には、具体的な説明が求められます。
横浜地検は、なぜ齊藤悟志氏の先行関与を捜査の中心に置かないのですか
山口検事らが後発の投資家から自白を得ようとしている一方で、齊藤悟志氏の先行利用、他者への承認、営業、紹介、説明及び送金同席を十分に検証していないのであれば、捜査の順序が逆です。
誰が先に制度を利用したのか。誰が専門家として安全性を説明したのか。誰が他者へ広げたのか。誰が報酬を受け取ったのか。
この時系列を調べることなく、後から参加した人物を企画者と呼ぶことはできません。
まして、齊藤悟志氏の営業行為がラストワンマイル在籍中に行われ、会社の肩書き、営業網、設備又は信用が使われていたのであれば、捜査対象は個人だけではありません。
株式会社ラストワンマイルの認識、指示、監督、利益及び会計処理も確認しなければなりません。
株式会社ラストワンマイルと渡辺誠氏への公開質問
- 齊藤悟志氏のラストワンマイルにおける正確な在籍期間、役職、権限及び報告先を開示できますか。
- 齊藤悟志氏が在籍中、税制優遇を利用した投資、コンサルティング又は関連する営業・紹介を行っていたことを把握していましたか。
- 齊藤悟志氏は、会社のメール、電話、端末、会議室、顧客情報又は従業員を利用していませんでしたか。
- 齊藤悟志氏が接触した相手に、ラストワンマイルの取引先、株主、従業員又は関係者が含まれていませんでしたか。
- 齊藤悟志氏による営業、紹介、制度説明又は送金同席について、渡辺誠氏へ報告は行われていましたか。
- 株式会社ラストワンマイル又は渡辺誠氏は、紹介料、営業手数料、コンサルティング料、株式その他の経済的利益を受け取っていませんか。
- 関係する金銭について、会社の帳簿、仮勘定、立替金、預り金又は関係会社取引として処理されたものはありませんか。
- 齊藤悟志氏の活動について、取締役会、監査等委員会又は内部監査部門による調査を実施しましたか。
- 関連する会社メール、チャット、通話履歴、入退館記録、経費記録及び会計データを保全していますか。
- 第三者委員会その他の独立した調査を受け入れますか。
横浜地方検察庁への公開質問
- 齊藤悟志氏が制度を先行利用したとされる事実を確認しましたか。
- 齊藤悟志氏による複数の営業、紹介及び他者利用の承認に関する通信記録を収集しましたか。
- 齊藤悟志氏が後発の投資家へ制度を説明し、巨額送金へ同席したとされる事実を確認しましたか。
- 齊藤悟志氏がラストワンマイル在籍中に行った営業活動と、同社業務との関連を調査しましたか。
- ラストワンマイルのメール、端末、顧客情報、営業人員又は設備が利用されていなかったか確認しましたか。
- 営業又は紹介によって生じた報酬の最終的な帰着先を追跡しましたか。
- 株式会社ラストワンマイル又は渡辺誠氏へ、直接又は間接に経済的利益が帰属していなかったか確認しましたか。
- 齊藤悟志氏を十分に調べず、なぜ後発の投資家を企画者と評価できるのですか。
- 使用者責任、会社の直接関与及び経営陣の認識について、捜査対象として検討していますか。
- 山口検事らが描いた事件ストーリーと矛盾する資料についても、事件記録へ編綴し、公平に検討していますか。
指南役を外し、後発の投資家だけを犯人役にしてはなりません
制度を先行して利用した人物がいる。
その人物が、公認会計士として制度を評価し、他者へ広げ、後発の投資家へ説明し、巨額送金へ同席したとされる。
さらに、その人物が株式会社ラストワンマイルの経営企画室長を務め、複数の営業行為が在籍期間中に行われていたとの情報がある。
この時系列を無視して、後から説明を受けた投資家を企画者とすることはできません。
横浜地検が本当に真相を明らかにしたいのであれば、身柄を拘束した人物から自白を得ることより先に、齊藤悟志氏の役割、ラストワンマイルとの業務上の関係及び報酬の流れを調べるべきです。
株式会社ラストワンマイルも、齊藤悟志氏が既に在籍していないことを理由として、説明を拒むことはできません。
行為が在籍中に行われ、会社の事業、信用、設備、人員又は利益と結び付いていたのであれば、退職後も会社の責任は消えません。
検察ユニオンは、資料だけで利益の帰着先を捏造しません。
だからこそ、株式会社ラストワンマイルと渡辺誠氏に求めます。
齊藤悟志氏が誰へ営業し、何を説明し、どの会社の設備と肩書きを使い、誰が報酬を受け取ったのかを、銀行記録、会計記録及び通信記録によって明らかにしてください。
指南役とされる人物を捜査から外し、説明を信じた後発の投資家だけを犯人役へ押し込むことは、証拠に基づく捜査ではありません。
そして、指南役の営業がラストワンマイルの事業の執行として行われていたのであれば、責任を負うべき対象は齊藤悟志氏一人ではありません。



