国税から検察へ、検察から外務省へ、何を引き継いだのか

目次

北村厚熊本国税局長、鹿児島地検次席検事、外務省とは

報道では、鹿児島地検と熊本国税局の発表に基づき、中野爵喜被告を起訴したこと、さらに、国外へ移住したとされる「共犯者」について、鹿児島地検が外務省へ旅券返納命令を要請したことまで、具体的に伝えられています。

しかし、国税、検察、外務省という三つの行政機関が、それぞれ別の組織であることを理由に、説明の主体から少しずつ離れようとしているように見えます。

本件の報道から、熊本国税局が調査し、鹿児島地方検察庁が国税から事件を引き受け、鹿児島地検が外務省に旅券返納命令を要請したと本件において、

無実の国民を人質司法で追うときには、国税、検察、外務省が連携する。

ところが、説明を求められると、それぞれが別の組織になる。

このような便利な役割分担が、法令上認められているのでしょうか。

北村厚熊本国税局長から、何を引き継いだのですか

当ユニオンが把握している本件の経緯では、北村厚熊本国税局長の下で進められた国税査察案件を、鹿児島地検の次席検事が国税側から引き受け、その後、外務省に対して旅券返納命令を要請したとされています。

この経緯が正しいのであれば、鹿児島地検の次席検事に確認したいことがあります。

国税から、どのような事実認定を引き継いだのでしょうか。

どの証拠を引き継いだのでしょうか。

国税が作成した事件の筋書きを、そのまま引き継いだのでしょうか。

それとも、検察官として、証拠、取引、資金移動、関係者の説明を一から独自に検証したのでしょうか。

国税の告発を受け取ることと、国税の判断をそのまま採用することは、同じではありません。

検察官には、国税から引き継いだ事実認定と法的評価が正しいかを、独立して確認する役割があるはずです。

もし当ユニオンが把握している経緯が事実と異なるのであれば、いつ、誰から、誰へ、どのような資料が引き継がれたのか、正確な経緯を訂正してください。

私たちは、その説明を待っています。

国税庁が掲げる「高度な調査能力」を、ぜひ本件で披露してください

国税庁は、自らの組織理念として、

「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現」

を掲げています。

また、国税庁は、様々なデータや資料情報を活用し、調査・課税を高度化すると公表しています。

“国税庁の組織理念|国税庁” (https://www.nta.go.jp/about/introduction/shokai/sosikirinen/index.htm)

“国税庁レポート2025「適正・公平な課税・徴収」|国税庁” (https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/report/2025/04_1.htm)

それほど高度な情報収集能力、分析能力及び調査能力をお持ちなのであれば、説明は難しくないはずです。

どの取引を問題としたのか。

どの会計処理が、どの法律の、どの要件に違反すると判断されたのか。

提出された資料のうち、何を確認し、何を否定したのか。

関係者から質問への回答を得ないまま、どのように犯罪事実を完成させたのか。

北村厚熊本国税局長には、国税庁が誇る圧倒的な調査能力を、結果だけではなく、客観的証拠と法律に基づく説明によって披露していただきたいと思います。

「検察に引き継いだので、国税は答えない」というのであれば、引き継いだ瞬間に国税の説明責任まで消滅する法的根拠を示してください。

鹿児島地検次席検事は、なぜ外務省へ要請したのですか

鹿児島地検は、外務省へ旅券返納命令を要請したと報じられています。

非常に具体的な捜査情報です。

それでは、鹿児島地検の次席検事にお尋ねします。

対象者について、逮捕状は発付されているのでしょうか。

どの被疑事実について、いつ逮捕状を請求したのでしょうか。

対象者が国外にいること以外に、旅券返納を必要とする具体的な事情は何だったのでしょうか。

任意の事情聴取、書面による質問、代理人を通じた連絡その他の代替手段を検討したのでしょうか。

外務省へ提出した要請書には、どのような事実と証拠を記載したのでしょうか。

そして最も分かりやすい質問です。

外務省へ旅券返納命令を要請した後、対象者を逮捕できたのでしょうか。

外務省は、実際に旅券返納命令を発したのでしょうか。

要請した事実だけを報道し、その後の結果を説明しないのであれば、国民に示されたのは捜査の成果ではありません。

捜査機関の意気込みです。

外務省は、鹿児島地検の受付窓口ではありません

旅券返納命令は、鹿児島地検が発する処分ではありません。

旅券法第19条に基づき、外務大臣又は領事官が法的要件と必要性を判断した上で行う行政処分です。

鹿児島地検から要請が届いたからといって、自動的に旅券返納命令を発することはできません。

外務省には、検察から提供された資料を独立して検討し、旅券法上の要件を満たすかを判断する責任があります。

旅券法第19条第4項は、旅券返納命令を決定した場合、速やかに、理由を付した書面で旅券名義人へ通知しなければならないと定めています。

“旅券法第19条|e-Gov法令検索” (https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000267)

そこで、外務省にも確認します。

鹿児島地検から、いつ要請を受けたのでしょうか。

どの条項に該当すると判断したのでしょうか。

外務省として独自に事実確認を行ったのでしょうか。

旅券返納命令を発したのであれば、いつ、どのような理由を付した書面で本人へ通知したのでしょうか。

発していないのであれば、旅券法上の要件を満たさなかったのでしょうか。

それとも、鹿児島地検から提出された資料では、重大な行政処分を行うには足りなかったのでしょうか。

「検察からの要請なので答えられない」という回答は、外務省が自ら判断したことへの説明にはなりません。

公務員に「説明しない」という選択肢はありません

日本国憲法第15条第2項は、

「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」

と定めています。

国家公務員法第96条も、すべての職員は国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務しなければならないと定めています。

さらに、行政機関情報公開法第1条は、

「政府の有するその諸活動を国民に説明する責務」

を明記しています。

“日本国憲法第15条|e-Gov法令検索” (https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION)

“国家公務員法第96条|e-Gov法令検索” (https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120)

“行政機関の保有する情報の公開に関する法律第1条|e-Gov法令検索” (https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000042)

私たちは、捜査上の秘密を無制限に公開するよう求めているのではありません。

どの機関が判断したのか。

どの法律に基づいて判断したのか。

本人に対して必要な告知と理由提示を行ったのか。

公表した捜査方針が、その後どのような結果になったのか。

この最低限の説明を求めています。

三機関の圧倒的な能力に期待しています

北村厚熊本国税局長。

国税から本件を引き受けた鹿児島地検の次席検事。

そして、鹿児島地検から旅券返納命令の要請を受けた外務省。

国税から検察へ。

検察から外務省へ。

事件と情報は、見事な速度で引き継がれたようです。

それにもかかわらず、説明責任だけが、どの機関にも引き継がれていないのであれば、極めて不思議です。

国税庁には、高度な情報分析能力があります。

検察庁には、圧倒的な捜査能力があります。

外務省には、国際的な情報収集能力と旅券行政の専門性があります。

それだけの能力をお持ちなのであれば、本件について事実、証拠、法的根拠及び判断経過を説明することは、決して難しくないはずです。

逮捕や旅券返納命令という結果だけで、能力を示す必要はありません。

記録と証拠と法律によって、圧倒的な調査・捜査能力を披露してください。

国税ユニオンは、その説明を心から楽しみにしています。

圧倒的な調査・捜査能力を、ぜひ説明能力とともに披露してください

国税ユニオンと検察ユニオンはこちらから

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