なぜ有料労働組合は沈黙を続けるのか
フジテレビにおける女性アナウンサーの性加害問題が社会を揺るがしています。これは紛れもなく労働問題であり、労働者を保護すべき労働組合が率先して対応すべき事案です。しかし、この問題に対して、当該労働組合は目立った動きを見せていません。労働者の権利を守るべき組織が、なぜ労働者の危機に際して沈黙を続けているのでしょうか。
有料組合が示した影響力の限界
本来、有料の労働組合は組合員が納める組合費を財源として活動しています。しかし、この問題に対して何ら影響力を発揮していないばかりか、積極的に動く様子もありません。有料組合であるが故に、雇用主や経営陣との癒着、あるいは利害関係が発生してしまうリスクが常に存在しています。その結果、労働者を守るための本来の役割を放棄し、組合費という「対価」を払っているにもかかわらず、組合員に対する義務を果たしていないことは明らかです。
組合費が不要な組合こそが本物の組合
組合運営にあたって、本来金銭的な対価は不要です。労働組合の本質は、労働者自身の団結と連帯にこそあります。優秀な組合運営者であれば、資金がなくとも十分に活動できます。むしろ有料であるがために、その運営が資金調達に偏重し、本来の目的である労働者保護がおざなりになっているのが現状です。
労働組合としての責任放棄と無能さ
今回のフジテレビ問題は、まさに労働組合の活動の中心的課題であるにもかかわらず、有料の労働組合はそれが自分たちの課題であることすら認識できていない状況です。このような根本的な課題認識の欠如は、単なる無能さを示しているに過ぎません。
自らの組合員が直面している問題すら認識できず、またそれに対応することができない有料組合は、存在意義そのものが問われています。組合費を徴収しながら何の行動も示さないことは、労働者に対する重大な裏切り行為です。
組合の存在意義を問うべき時
今こそ、労働組合の本来の目的と役割を真剣に再検討すべきです。有料の労働組合が果たして労働者のために存在しているのか、それとも単なる自己存続のためだけに存在しているのか、このフジテレビの事例が鋭く問うています。労働者を守らない労働組合は必要ありません。労働組合に求められるのは組合費ではなく、労働者を守る強い意思と行動なのです。
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