タイミーを利用する引越業者に関する通報
タイミー利用者からの通報内容
タイミー利用者からの通報において依頼と同意があったため、通報者の匿名性に最大限留意しつつ通報内容をご紹介いたします。
- 通報者:タイミーアプリ利用者
- 通報対象者①:株式会社タイミー
- 通報対象者②:引越業者X
令和?年?月?日(※匿名性確保のため伏せています)にタイミー求人で引っ越し作業アシスタントの募集を見てタイミーを登録して契約しました。
作業内容は引っ越しの作業補助
就労時間 7時30分~17時
時給1000円(交通費)500円
応募し就労場所となる〇〇営業所(X)で朝7時?分~夕方17時?分(※匿名性確保のため伏せています)まで仕事をしました。
タイミー専用アプリ端末QRコードより始業と終業の確認をする際に残業が発生した場合、又は休憩時間が取得不可能だった場合に就労時間、休憩時間の訂正申告ができるようになっています。
私は、タイミーの求人で80分の休憩時間が定められていたので応募しましたが実際に現場へ行くと就労先である〇〇営業所(X)の従業員(指示命令)側である者より今回は休憩取れないと言われ、結局休憩無しで仕事を完結させました。
現在から現場へ向かって走るトラックの中でパンを食べた位でした。
休憩取得できない分は報酬の訂正と再計算するとの事で休憩0分にて修正申告したら修正承認が就労先である〇〇営業所(X)より拒否され報酬を払って貰えない状況になり、タイミーに不服申し立てをしてます、タイミーからの返答は、就労先である〇〇営業所(X)へ問い合わせし報酬支払いと休憩が取得できなかった分の報酬について再度連絡するとメールが届きましたが報酬について支払いがされません。
との内容でした。
通報者からは、
- タイミーアプリ上での就労記録
- タイミーアプリ上でのタイミー社への問い合わせ記録
- タイミーアプリ上での該当の募集要項と労働条件通知書
のエビデンス提供もあり事実確認も出来たため、通報者の依頼通り、株式会社タイミー・引越業者Xに通知を行いました。
本件においては、通報者からのご指摘通り、実際に休憩なしで働いた時間でタイミーアプリ上から申請しても、アプリ上の使用によるものなのか、引越業者X側の問題なのか、どちらにせよ承認が滞り報酬がスムーズに手に入らない点で、タイミーの謳い文句でお馴染みの「即日入金」が果たされていないようです。
タイミーはスキマバイトアプリという性質上、利用者のお金がすぐに欲しいというニーズが大前提であるというのは容易に想像できるところ、本件の通報者も報酬の支払いが滞っている事については非常に困っています。
通報者の悲痛の声から一部を紹介します。
今回、お金が必要となりタイミーでバイトしたので早めに報酬を頂かないと生活苦しくて困っていました。
真面目に頑張って現場でキツイ指示命令の配下で仕事を完結させたので適正な報酬を支払って欲しいと願っています。
就労先である引越業者Xは運送許可のある緑ナンバー、運送会社なのにドライバーのアルコールチェック、点呼業務がされていませんでした、ドライバーは正社員ではなくてバイトのドライバーで、ドライバーもこの会社は点呼もないしずさんな管理だとも言っていました。
同日にタイミーで働きに来ていた人達が口を揃えて時間外手当、残業しても残業申請しても認めて貰えないとも愚痴が聞こえていました。
タイミーは自分達の金儲けだけで、働く側(ワーカー)の立場に全くなっていません。
就労先である引越業者Xもタイミーから出向してくるワーカーを馬鹿にしている人権無視した仕事内容、いい加減な管理の中で働かされるワーカー、私も含めてこれから被害が出ないように私の事例が役立てば良いと思っております。
タイミーは法律の隙間を突いた不正の温床アプリになっている
このように、自身が働いた時間分の報酬をただ契約通り支払って欲しいとの、通報者の当たり前の要望ですが、そもそも休憩を与えていないという行為自体が、労働基準法に違反している点を忘れてはなりません。
(休憩)
第三十四条
使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
② 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
労働基準法
これまでも当組合は、具体的な事例を挙げながらタイミーの違法性を指摘して参りました。
タイミー社はこのように、タイミーを利用する事業者側を訴訟に巻き込みながら、調達した多額の資金を広告費に投下し今も露出を増やし続けているわけですが、今回の通報者はもちろん、組合内外のあらゆる情報提供からも分かるように、タイミーのビジネススキームやアプリの仕様によって、本来であれば防げたであろう初歩的な労務問題をいとも簡単に引き起こしています。
すなわち、法整備やコンプライアンス強化の時代の流れで、休憩を取らせない・ずさんな管理体制・労働者の人格軽視などといった、既にかなり解消してきていたはずの初歩的な労働問題が、タイミーが無責任な心構えで介在した結果、事業者側の緊張感も薄れさせてしまい、次々と蘇っていく流れを作った事で時代を逆行させる結果となってしまっているわけです。
そして皮肉にも、時間のスキマを突いたはずの画期的なバイトアプリは、タイミー側と事業者側の双方が責任感を欠如させた事で、法律の隙間を巧妙に突いたスキマバイトアプリと化してしまったのでしょう。
タイミーが事業者側と労働者の間に介在する事で、責任の所在を有耶無耶にした結果、取り返しのつかない事態を引き起こしてしまっている問題は、これまで度々指摘してきたように、株主と経営者の間にも言えます。
株主という会社法にその責任を守られた立場を利用し、実質的に会社とその経営者を支配しコントロールする事で、責任を巧妙に逃れながら法令違反を繰り返す悪人が、水面下で数多く暗躍しています。
本質的な責任の所在を抜本的に解決しなければ、憲法で保障された労働者の権利の実現も果たされる事はないため、当組合は労働者の福祉向上を成し遂げるべく活動を続けて参ります。
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