「検察なめんなよ」「敵視すれば反社」の取調室
検事の取調べをめぐり、現在、二つの裁判が同時に日本の刑事司法へ突き付けられています。
一つは、大阪地検特捜部が手掛けたプレサンス事件において、「検察なめんなよ」などと怒号を浴びせた田渕大輔検事を被告人とする刑事裁判です。
もう一つは、東京地検特捜部が手掛けたテクノシステム事件において、「検察庁を敵視するということは、反社やん」などと発言した堀木博司検事をめぐる事件です。堀木検事を被告人とする刑事裁判に先行し、国を相手とする国家賠償請求訴訟で取調べ映像が再生されました。
両事件に共通するのは、取調べの録音録画が存在し、その映像が法廷で再生されたことです。密室で終わるはずだった検察官の言葉が、検察庁の外へ運び出され、裁判官、弁護士、報道機関、国民の前で検証されるようになりました。
その一方、検察ユニオンには、株式会社ラストワンマイルの関係者を含む複数人が、株式会社Nをめぐる40名規模の逮捕状請求計画へ組み込まれているとの新たな捜査情報が寄せられています。
馬見塚メモには、資料の表題として「株式会社ラストワンマイルグループによる不正全体図」と記載され、株式会社ラストワンマイル、渡辺誠氏、齊藤悟志氏、関連法人、資金の流れ、「出資 虚偽」、そして鹿児島地検・福岡高検による「告発、起訴、逮捕」まで並べられていました。
つまり、これから検察が追うとされる事件の中心には、渡辺誠氏、中野爵喜被告、齊藤悟志氏を主要メンバーとするゴールデントリオと、株式会社ラストワンマイルの一部幹部、渡辺誠氏の秘書室その他の関係者が存在します。
問題は、検察が彼らを追うこと自体ではありません。
取調室で机を叩き、敵視した者を「反社」と呼び、監視担当者も幹部も止めない組織が、馬見塚メモに書かれた複雑な資金、株式、会計、申請、名義関係を、証拠と法律によって公平に解明できるのかという問題です。
田渕大輔検事の「検察なめんなよ」は、検察内部で問題にされなかった
刑事弁護オアシスが報じた田渕大輔検事の刑事裁判では、プレサンス事件の取調べにおいて、山岸忍氏の関与を認めない関係者へ、田渕検事が机を激しく叩きながら怒号を浴びせたとされています。
「まだ弁解するか。なんだ、その悪びれもしない顔は」
«កុំមើលស្រាលការចោទប្រកាន់»។
驚くべきなのは、取調べを行った一人の検事だけではありません。
大阪地検特捜部で取調べを監視する役割を担っていた総括審査検察官は、映像を見て取調べの実態を把握しながら、自白の任意性を損なうものではないと判断しました。山岸氏を起訴するかを決める最終決裁の会議でも、検事正、次席検事、特捜部長らが取調べを把握しながら、問題として止めなかったとされています。
録画装置は動いていました。監視担当者もいました。幹部による決裁もありました。
それでも、止まりませんでした。
取調べの可視化が存在しても、見る側が「この程度は検察では普通だ」と考えていれば、カメラは監視装置ではなく、組織的な黙認を保存する記録装置になります。
堀木博司検事の「検察庁を敵視するということは、反社やん」
របាយការណ៍អនឡាញ FNN Primeによれば、テクノシステム事件をめぐる国家賠償請求訴訟では、合計205時間に及ぶ取調べのうち、原告側が違法と主張する1時間余りの映像が東京地方裁判所で再生されました。
「検察庁を敵視するということは、反社やん」
「なんでこうなってもうたのかよう考えなさい!」
検察庁を批判し、捜査へ異議を述べ、検察官の説明を信用しないことが、いつから反社会的勢力の定義になったのでしょうか。
検察庁は行政組織です。検察官は公務員です。国民には、捜査へ異議を述べ、黙秘し、弁護士へ相談し、裁判で争い、国家賠償請求を行う権利があります。
検察を敵視したから反社なのではありません。
検察官が、自分たちへの批判を反社会性へ変換し、供述しない者を敵とみなすのであれば、その発想こそ、法治国家の捜査機関として検証されなければなりません。
録音録画は不適切な取調べを記録したが、止めることはできなかった
二つの事件は、録音録画が無意味であることを示しているのではありません。
録音録画があったからこそ、取調室で何が起きたのかを、後から法廷で検証できました。検察官の言葉を、被疑者と検察官の記憶の勝負へ押し込めず、客観的な映像として再生できたのです。
一方で、録音録画だけでは、取調べ中の威圧、怒号、供述誘導をその場で止められませんでした。プレサンス事件では、映像を監視する検察官や幹部が存在しても、組織内部の判断によって問題なしとされました。
必要なのは、録画装置を置いて後から反省会を行うことだけではありません。
- 全ての事件における取調べ全過程の録音録画。
- 録音録画データの改変防止と原本保全。
- 弁護側への速やかな開示。
- 取調べへの弁護人立会い。
- 威圧的な取調べを行った検察官を、当該事件から直ちに外す制度。
- 所属庁から独立した外部機関による検証。
日本弁護士連合会は、弁護人を取調べへ立ち会わせる権利の明文化を求めています。
検察官の質問が法律と証拠に基づく正当なものであれば、弁護人が同席して困る理由はありません。
弁護人がいると成立しない取調べであれば、守るべきなのはその取調べ手法ではありません。
取調べを受ける国民です。
黙秘権を使う国民を、怒号と人格評価で折ることは許されない
មាត្រា ៣៨ កថាខណ្ឌទី ១ នៃរដ្ឋធម្មនុញ្ញជប៉ុន៖ គ្មានបុគ្គលណាម្នាក់ត្រូវបានបង្ខំឱ្យធ្វើសេចក្តីថ្លែងការណ៍ដែលបង្កគ្រោះថ្នាក់ដល់ខ្លួនឯងឡើយ។
មាត្រា ១៩៨ កថាខណ្ឌទី ២ នៃក្រមនីតិវិធីព្រហ្មទណ្ឌ៖ នៅពេលធ្វើការសួរចម្លើយដែលបានរៀបរាប់នៅក្នុងកថាខណ្ឌមុន ជនសង្ស័យត្រូវតែទទួលបានការជូនដំណឹងជាមុនថា មិនចាំបាច់ធ្វើសេចក្តីថ្លែងការណ៍ប្រឆាំងនឹងឆន្ទៈរបស់ខ្លួនឡើយ។
供述しないことは、反省していない証拠ではありません。悪びれていない証拠でもありません。検察を敵視する反社会的な態度でもありません。
憲法と刑事訴訟法が認めた権利です。
検察官が行うべきなのは、黙秘する人物の表情を採点し、態度を叱り、組織への忠誠を求めることではありません。
銀行記録、契約書、申請資料、通信記録、株主名簿、会計帳簿、端末、入退館記録その他の客観証拠を集め、犯罪の構成要件を立証することです。
証拠で勝負できず、怒号で供述を作るのであれば、取調べを受けている人物より先に、検察の捜査能力が疑われます。
「検察が萎縮する」という幹部の心配は、国民感覚と完全に逆である
一部の検察幹部には、検察官の取調べが刑事裁判や国家賠償請求訴訟で検証される状況について、「こんなことが続けば検察の現場が萎縮し、まともな取調べができなくなる」と憤る者がいるとされています。
しかし、国民が求めているのは、机を叩くことを恐れない検事でも、批判者を反社と呼ぶ勇気のある検事でもありません。
証拠に基づいて質問し、黙秘権を尊重し、反対証拠を調べ、供述を作らず、情報を漏らさない検事です。
法令を守ることで萎縮するのであれば、これまでの取調べで何をしてきたのでしょうか。
弁護人が立ち会い、映像が全て残り、後から裁判所が確認できる状態でも行える質問こそ、まともな取調べです。
見られると困る取調べができなくなることを、「現場の萎縮」と呼び替えてはなりません。
馬見塚メモは「ラストワンマイルグループによる不正全体図」と書いている
こうした取調べ問題が続く中で、検察が今後本格的に追うとされるのが、馬見塚メモに記載された株式会社ラストワンマイル周辺の事件です。
馬見塚メモをまとめた検察ユニオンの記事では、資料に次の記載があることを公表しています。
- 「株式会社ラストワンマイルグループによる不正全体図」との表題。
- 株式会社ラストワンマイル及び渡辺誠氏を中心とする複数の法人、関係者、資金の矢印。
- 「外注費」「貸付(不正資金)」「広告費(バック)」「不正資金」等の表現。
- エンジェルスキームについての「不正の例②」「出資 虚偽」「税効果」等の記載。
- 元ラストワンマイル経営企画室長で公認会計士の齊藤悟志氏の実名。
- 鹿児島地検及び福岡高検が「やる気」であり、「告発、起訴、逮捕」へ進むとの記載。

この資料が正しいのであれば、検察が追うべき中心は明快です。
渡辺誠氏、中野爵喜被告、齊藤悟志氏、株式会社ラストワンマイルの一部幹部、渡辺誠氏の秘書室、関連法人、紹介者、申請者、資金受領者、最終受益者です。
ところが、馬見塚メモでは、事実関係の確認より先に「不正」「虚偽」「告発」「起訴」「逮捕」という結論が並んでいます。
この資料を捜査の入口として使用するなら、検察は、資料に記載された全ての人物と全ての資金を同じ基準で調べなければなりません。
一部の人物を逮捕するためだけに資料の都合のよい部分を採用し、渡辺誠氏、株式会社ラストワンマイル、齊藤悟志氏に関する記載を棚へ戻すことは許されません。
「地方の検察は財務・金融に詳しくない」と評された側は、誰の筋書きを読んでいるのか
馬見塚メモの記事では、馬見塚武治氏と直接会話した複数の組合員から、同氏が「地方の国税局や地方検察庁は財務・金融分野に詳しくないため、偏った判断をされることがある」といった趣旨を述べたとの情報も公表されています。
この発言が事実であるなら、地方の検察官は、元査察関係者から能力を低く評価された上で、同じ関係者側から「不正」「虚偽」「逮捕」まで書き込まれた資料を渡されていた可能性があります。
自分たちだけでは財務・金融を理解できないと見透かされ、先に完成した図と結論を持ち込まれる。
その後、取調室では、資料に合わない供述をする人物へ「検察なめんなよ」と迫る。
これでは捜査機関ではありません。
外部で作られた台本の読み合わせ会です。
地方の検察官が本当に財務・金融へ不慣れであるなら、なおさら、馬見塚メモだけでなく、反対資料、会計帳簿、行政申請、銀行記録、契約、実際の業務を独自に確認しなければなりません。
40名への逮捕状請求計画に、ラストワンマイル関係者が複数含まれるとの新情報
検察ユニオンは既に、国税関係者及び地検関係者の双方から、株式会社Nの投資家・株主総勢40名について逮捕状請求を進める方針が漏れた問題を公表しています。

さらに検察ユニオンへ新たに寄せられた捜査情報では、この40名の対象候補の中に、株式会社ラストワンマイルの関係者が複数含まれているとされています。
これが事実であれば、エンジェル税制をめぐる事件は、外部の投資家だけを並べた事件ではありません。
馬見塚メモの表題どおり、株式会社ラストワンマイルの人員、関係者、紹介経路、会計、資金、専門家ネットワークへ捜査が進んでいることになります。
問題は、その情報がまた正式発表より先に漏れていることです。
- 誰が40名の対象候補を選んだのか。
- ラストワンマイル関係者は何人含まれているのか。
- 一人ひとりに固有の証拠があるのか。
- 氏名と金額だけを差し替えた逮捕状請求になっていないか。
- 逮捕対象者へ先回りして情報が伝わっていないか。
- 記者クラブ、会社関係者、紹介者、捜査対象者のうち、誰が計画を知っているのか。
検察は証拠隠滅のおそれを理由として国民を逮捕します。
その検察が、自ら逮捕予定を外へ漏らしているのであれば、証拠隠滅の準備時間を配っているのは検察側です。
渡辺誠メンバー達vs検察は、プライドを賭けた格闘技ではない
株式会社ラストワンマイルの関係者を通じて寄せられる情報では、渡辺誠氏、齊藤悟志氏、その周辺の紹介者らは、エンジェル税制に関わる検事を「エンゼル検事」などと呼び、制度も会計も理解できない人物として揶揄しているとされています。
検察官が制度名、会計、資金、申請、行政確認を理解せず、怒号と身体拘束で供述を作ろうとするのであれば、その批判は検察自身が招いたものです。
しかし、渡辺誠メンバー達が検察を笑っているからといって、馬見塚メモに記載された資金、株式、虚偽投資、ラストワンマイルの信用利用、齊藤悟志氏の専門家としての関与が消えるわけではありません。
検察が不適切な取調べを行ったことと、渡辺誠メンバー達に説明すべき取引が存在することは、同時に成立します。
検察は、馬鹿にされた腹いせで捜査してはなりません。
反対に、馬鹿にされることを恐れて捜査を避けてもなりません。
プライドではなく、客観証拠によって調べてください。
最高検察庁・大阪地検・東京地検・鹿児島地検・福岡高検への公開質問
- 田渕大輔検事の取調べ映像を確認した総括審査検察官及び最終決裁者が、問題なしと判断した具体的理由は何ですか。
- 机を叩き、怒号を浴びせ、被疑者の表情や態度を非難する取調べを、現在も許容される手法と評価していますか。
- 堀木博司検事による205時間の取調べについて、全映像を保全し、刑事裁判及び国家賠償請求訴訟で検証可能な状態にしていますか。
- 「検察庁を敵視するということは、反社やん」との発言を、黙秘権、弁護人依頼権及び検察批判の自由と両立する発言と考えていますか。
- 取調べを録音録画していたにもかかわらず、組織内部で是正できなかった原因を調査しましたか。
- 全ての取調べへの弁護人立会いを制度化することに反対する場合、反対理由を具体的に説明してください。
- 熊本国税局、鹿児島地検又は福岡高検は、馬見塚メモ又は同一・類似内容の資料を受領しましたか。
- 資料の表題である「株式会社ラストワンマイルグループによる不正全体図」に記載された全ての法人、人物及び資金移動を調査しましたか。
- 渡辺誠氏、中野爵喜被告、齊藤悟志氏、株式会社ラストワンマイル幹部、渡辺誠氏の秘書室について、それぞれどのような捜査を行いましたか。
- 株式会社Nをめぐる40名の逮捕状請求計画に、株式会社ラストワンマイルの関係者が複数含まれているとの情報は事実ですか。
- តើអ្នកបានកំណត់អត្តសញ្ញាណចេតនា ការឃុបឃិត តួនាទី ប្រតិបត្តិការហិរញ្ញវត្ថុ និងភាពចាំបាច់នៃការចាប់ខ្លួនបុគ្គលម្នាក់ៗក្នុងចំណោម ៤០ នាក់ហើយឬនៅ?
- 対象者名、人数、関係法人、逮捕状請求予定が、正式手続より先に国税関係者、地検関係者、記者クラブ又は民間関係者へ漏れた経路を調査していますか。
- 馬見塚メモに記載された「鹿児島地検、福岡高検、やる気」「告発、起訴、逮捕」という情報を外部へ伝えた検察関係者は存在しますか。
- 地方の検察庁は財務・金融分野に詳しくないとの趣旨の評価を受け、外部関係者が作成した事件像へ依存した事実はありませんか。
- 渡辺誠氏らが関係検事を「エンゼル検事」等と揶揄していることが、捜査対象の選定、取調べ、逮捕状請求その他の判断へ影響していないことを、どのように担保しますか。
- 本件について、各関係庁から独立した外部専門家を含む検証を行い、取調べ、情報漏洩及び捜査対象選定の結果を公表しますか。
វិធានការដែលស្នើសុំដោយសហជីពព្រះរាជអាជ្ញា
- 全ての事件について、取調べの全過程を録音録画すること。
- 録音録画の原本を改変不能な方法で保存し、弁護側へ速やかに開示すること。
- 被疑者が求めた場合に弁護人を取調べへ立ち会わせる制度を導入すること。
- 怒号、威圧、人格非難、黙秘権行使への不利益示唆を行った検察官を、直ちに当該事件から外すこと。
- 所属庁の上司だけでなく、外部専門家を含む独立機関が取調べを検証する制度を設けること。
- 馬見塚メモ及び同一・類似資料の原本、作成履歴、提出先、共有先、改変履歴を保全すること。
- 株式会社ラストワンマイル、渡辺誠氏、中野爵喜被告、齊藤悟志氏、関係幹部、渡辺誠氏の秘書室を、同じ証拠基準で調査すること。
- 40名の逮捕状請求について、氏名や金額だけを差し替えた一括処理を行わず、個別の故意、共謀、逮捕の必要性を再審査すること。
- 捜査対象者、逮捕予定、処分予定、関係法人その他の情報漏洩を、最高検察庁から独立した体制で調査すること。
- 捜査情報を公益目的で通報した者と、捜査対象者へ便宜を与える目的で漏らした者を区別し、情報提供者への報復を禁止すること。
- 取調べ及び情報漏洩の検証結果、関与者、処分、再発防止策を社会へ公表すること。
検察が守るべきなのは面子ではなく、証拠と法である
馬見塚メモが正しいのであれば、株式会社ラストワンマイル、渡辺誠氏、中野爵喜被告、齊藤悟志氏、関係幹部、渡辺誠氏の秘書室、関連法人を徹底的に調べてください。
馬見塚メモが誤っているのであれば、誰が、何の目的で、ラストワンマイルの不正全体図と「告発、起訴、逮捕」を書き、検察と国税へ影響を与えたのかを調べてください。
どちらの場合でも、机を叩き、相手の表情を責め、検察を批判した者を反社と呼ぶ必要はありません。
必要なのは、帳簿、口座、契約、申請、端末、通信、会社の決裁記録です。
渡辺誠メンバー達が検察を「エンゼル検事」と笑っているからといって、彼らの説明責任は消えません。同時に、渡辺誠メンバー達に疑義があるからといって、検察の怒号、供述誘導、情報漏洩が正当化されることもありません。
公益を守るためには、両方を同じ基準で検証する必要があります。
「検察なめんなよ」という言葉で国民を黙らせるのではなく、記録を開示し、法的根拠を示し、公正な捜査によって信頼を取り戻してください。
検察が守るべきなのは、検察官のプライドでも、有罪率でもありません。
証拠と法です。




