Did Prosecutor Yamaguchi's “empathizing” mean "I'll help you if you frame someone else"?

「自分としては、金本重徳氏を不利にしてやろうとは思わず、フラットに対応してきたつもりです。できることと、できないことはありますが、極力寄り添ってきたつもりです」

検察ユニオンに寄せられた情報によれば、山口検事は、金本重徳氏が黙秘へ転じた後の面談で、このような趣旨の説明をしたとされています。

一見すると、被疑者の心情に配慮し、可能な限り公平に接してきた検察官による、穏やかな振り返りのようにも聞こえます。

しかし、それ以前に山口検事が金本重徳氏へ述べたとされる別の発言と並べると、「寄り添う」という言葉の意味は、全く違って見えてきます。

「標的人物が悪いと供述しなければ、金本重徳氏自身が最も悪い人物になる。外から見れば、中野爵喜氏と金本重徳氏が計画したように見える」

この発言が実際に行われたのであれば、山口検事のいう「寄り添う」とは、金本重徳氏の主張や権利に寄り添うことではなかったのではないでしょうか。

検察があらかじめ描いた事件のストーリーに金本重徳氏を参加させ、別の人物を主導者として供述させる。その代わりに、金本重徳氏自身の責任を相対的に軽く見せる。

そのような責任転嫁への協力を、「寄り添う」と呼んでいた疑いが浮かびます。

Table of Contents

「あなたを助けたい」と「他人を悪いと言いなさい」は同じ意味なのか

被疑者に寄り添うとは、本来、その人物が話した内容を先入観なく聞き、有利な証拠も不利な証拠も公平に確認し、身体拘束下で精神的に追い詰めないよう配慮することです。

黙秘権を尊重し、供述しないことを不利益に扱わず、本人の説明と客観的証拠が矛盾する場合には、その矛盾を具体的に確認することも含まれます。

ところが、山口検事の発言とされる内容は、そのような意味での寄り添いとは異なります。

標的人物を悪いと言わなければ、金本重徳氏自身が最も悪い人物になる。反対に、標的人物を主導者とする供述をすれば、金本重徳氏の立場は相対的に軽くなる。

これは、被疑者の事実認識を聞く質問ではありません。

検察が用意した事件の配役の中から、自分が最も重い犯人役になるか、別の人物を主犯役として差し出すかを選ばせる働きかけです。

山口検事が寄り添っていたのは、金本重徳氏ではなく検察の物語ではないのか

山口検事が本当に金本重徳氏へ寄り添っていたのであれば、まず行うべきことは、金本重徳氏が説明している事実を客観的資料によって確認することだったはずです。

行政機関への照会では、誰が、どのような前提を説明し、どのような回答を受けたのか。投資や契約には、どのような実体があったのか。コンサルティングは実際に提供されたのか。誰が制度を先行して利用し、誰が専門家として説明したのか。

これらを確認せず、「誰を悪いと言うのか」を中心に取調べを進めるのであれば、寄り添っている相手は被疑者ではありません。

検察が先に描いた事件の物語です。

金本重徳氏へ寄り添うという言葉の実態が、検察のストーリーへ一緒に寄り添い、他の人物を犯人役として完成させることだったのであれば、その言葉は極めて欺瞞的です。

罪を軽くする代わりに、事件を大きくする

標的人物を主導者とする供述が得られれば、金本重徳氏は、事件を計画した中心人物ではなく、強い影響を受けた従属的な参加者として扱われる可能性があります。

その意味では、山口検事が考える「寄り添い」は、金本重徳氏の責任を軽くする方向に働くようにも見えます。

しかし、その裏側では、別の人物が事件全体を設計し、多数の関係者を動かしたという、より大規模で組織的な事件ストーリーが完成します。

一人の被疑者の責任を相対的に軽く見せる代わりに、別の人物を中心とする大きな事件へ組み替える。

その結果、検察は、単独又は少人数の複雑な税務事件ではなく、主導者、共犯者、役割分担が存在する大型事件として説明しやすくなります。

大型事件を立件し、中心人物まで追及したという構図は、検察組織内では捜査成果として評価されやすいものと考えられます。

もちろん、山口検事が自らの手柄や人事評価を目的としていたと、現時点で断定する証拠はありません。

しかし、被疑者へ「他人を悪いと言わなければ、あなたが一番悪くなる」と伝えることによって、被疑者の責任を軽くする供述と、事件を大きく見せる供述を同時に得ようとしていたのではないかという疑問は残ります。

これは正式な司法取引ではなく、密室の責任転嫁ではないのか

日本の刑事手続には、一定の犯罪について、被疑者や被告人が他人の犯罪の捜査へ協力する代わりに、検察側が一定の措置を取る合意制度があります。

しかし、その制度には対象犯罪、合意内容、弁護人の同意、書面化その他の手続があります。

取調室で検察官が、「他人を悪いと言わなければ、あなたが一番悪くなる」と伝えることは、正式な手続に基づく合意とは別物です。

検察が想定する主犯を指し示し、その人物へ責任を移す供述をすれば自分が助かると期待させるのであれば、密室で行われる非公式な責任転嫁の取引に見えます。

しかも、身体を拘束されている被疑者にとって、「あなたが一番悪くなる」という言葉は、単なる意見ではありません。

起訴する側、勾留を続ける側、刑事処分へ影響を与える側から示される、極めて強い心理的圧力です。

検察の物語へ協力しなければ、最も悪い人物にされる

金本重徳氏に示されたとされる選択肢は、どちらも検察の事件ストーリーの中にあります。

標的人物を悪いと言えば、標的人物が主導者となり、金本重徳氏は従属的な役割になる。

標的人物を悪いと言わなければ、中野爵喜氏と金本重徳氏が計画したように扱われ、金本重徳氏自身が最も悪い人物になる。

そこには、「客観的証拠を調べた結果、誰にも脱税の故意が認められない可能性」や、「中野爵喜氏の説明によって投資家が誤信した可能性」など、検察の当初の見立てが誤っている選択肢がありません。

つまり、誰かが犯人であることは最初から動かさず、犯人役だけを選ばせているのです。

証拠によって犯罪の有無を確定するのではなく、取調室で責任の配分を交渉する。

それを「寄り添う」と呼ぶのであれば、検察官が寄り添っているのは、真実ではなく起訴の都合です。

「力になりたい」とは、検察の共犯になってほしいという意味だったのか

山口検事は、金本重徳氏の力になりたいと思っていたものの、このような結果となったのは自分の力不足だったという趣旨も語ったとされています。

しかし、山口検事は、どのような方法で金本重徳氏の力になろうとしていたのでしょうか。

客観的証拠を収集し、故意を否定する事情を上司へ報告し、不必要な身体拘束の解消を求めたのでしょうか。

それとも、標的人物を主導者とする供述を得ることによって、金本重徳氏をより軽い役割へ移動させようとしていたのでしょうか。

後者であれば、「力になりたい」とは、検察の事件ストーリーを一緒に完成させる協力者になってほしいという意味だったことになります。

金本重徳氏が、実際には見聞きしていないことや、自分の認識と異なる内容まで供述しなければ助けられないのであれば、それは救済ではありません。

他人を犯人にする供述を提出した者だけが得られる、検察への服従の報酬です。

山口検事自身も、上司から成果を求められていたのか

ここで、検察ユニオンが継続して指摘している、山口検事自身のパワーハラスメント被害の可能性へつながります。

大阪地検特捜部では、被疑者から否認供述を得た検事が、指導担当検事から「事件を潰す気か」「ポンコツだ」と罵倒され、自白調書の作成を求められたとの手記が公表されています。

検察内部で、否認を許した検事が能力不足として扱われ、大型事件を完成させることが成果として求められるのであれば、山口検事にも同様の圧力が加えられていなかったでしょうか。

金本重徳氏から標的人物を悪いとする供述が取れなければ、事件の中心人物を確定できない。検察が作った大規模な事件ストーリーも完成しない。

その結果、山口検事自身が上司から、捜査能力がない、成果を出せない、事件を潰したと評価される。

その恐怖が、「標的人物を悪いと言わなければ、金本重徳氏が一番悪くなる」という発言につながった可能性はないでしょうか。

「寄り添った」は、山口検事の自己弁護でありSOSだったのか

金本重徳氏が黙秘へ転じ、検察が求める供述を得られなくなった後、山口検事は土曜日に訪れ、「私のことは嫌いですか」と尋ねたとされています。

さらに、自分はフラットに対応し、できる限り寄り添ってきたつもりだったと説明した。

これは、自分が行った取調べについて、金本重徳氏から許しや理解を得ようとする言葉にも聞こえます。

「本当は不利にしたかったわけではない」

「自分にも、できることとできないことがあった」

「あなたを助けるためには、別の人物を悪いと言ってもらう必要があった」

このような意味が含まれていたのであれば、山口検事もまた、上司の命令と自分の良心との間で追い詰められていた可能性があります。

ただし、山口検事がパワーハラスメントの被害者であったとしても、金本重徳氏へ責任転嫁の供述を迫ることは正当化されません。

上司から成果を求められた検事が、その圧力を身体拘束された被疑者へ転嫁することは、検察内部のハラスメントを取調室で再生産する行為です。

本当に寄り添うなら、検察に不都合な証拠も調べてください

山口検事が金本重徳氏へ本当に寄り添うつもりであったなら、行うべきことは明確です。

金本重徳氏が投資を決断するまでに、誰がどのような説明をしたのか。行政機関へ何を照会し、どのような回答が示されたのか。制度を先に利用し、専門家として安全性を説明した人物は誰だったのか。

コンサルティングの資料や役務は実際に存在したのか。中野爵喜氏の説明は、行政回答や客観的資料と一致していたのか。金本重徳氏に、当初から脱税を行う具体的な認識があったことを示す通信は存在するのか。

これらを公平に調べることが、被疑者へ寄り添う捜査です。

検察の見立てに不都合な証拠を確認せず、他人を悪いとする供述を得ることだけに力を注ぐのであれば、それは被疑者への寄り添いではありません。

検察官が自分の起訴ストーリーへ寄り添っているだけです。

Open questions to the Yokohama District Public Prosecutors Office

  1. 山口検事は、金本重徳氏へ「寄り添ってきたつもり」と述べましたか。
  2. 山口検事のいう「寄り添う」とは、具体的にどのような捜査上又は処遇上の対応を意味していましたか。
  3. 山口検事は、標的人物を悪いと供述しなければ、金本重徳氏自身が最も悪い人物になるとの趣旨を述べましたか。
  4. 標的人物を主導者とする供述をすれば、金本重徳氏の刑事責任又は処分が軽くなる可能性を示唆しましたか。
  5. このような責任転嫁を求める取調べ方針は、山口検事本人の判断ですか。それとも上司又は捜査会議の指示ですか。
  6. 金本重徳氏から標的人物に不利な供述を得ることが、担当検事や捜査チームの成果として評価される仕組みはありませんか。
  7. 山口検事から、上司による成果要求、特定方向の供述獲得指示又はパワーハラスメントに関する相談はありませんでしたか。
  8. 当該取調べと土曜日の面談について、録音録画、取調べメモ、供述調書及び上司への報告記録を保全していますか。

寄り添う相手を間違えないでください

山口検事が寄り添うべきだったのは、検察のストーリーではありません。

金本重徳氏が実際に認識していた事実、客観的証拠、黙秘権、そして検察側の見立てが誤っている可能性です。

「他人を悪いと言えば、あなたの責任は軽くなる」

「他人を悪いと言わなければ、あなたが一番悪くなる」

このような二者択一を示し、その選択へ協力させることを「寄り添う」と呼んではなりません。

それは、被疑者と一緒に真実を探す行為ではありません。

被疑者を検察側へ引き込み、別の人物を犯人に仕立てる物語を一緒に完成させる行為です。

その供述によって金本重徳氏の責任を軽く見せ、同時に事件をより大規模かつ組織的に構成し、検察の成果を大きく見せる。

それが山口検事のいう「寄り添う」の実態だったのであれば、寄り添っていたのは金本重徳氏ではありません。

自分たちの事件ストーリーと、検察組織内での手柄です。

本当に金本重徳氏の力になりたいのであれば、他人を悪いと言わせる必要はありません。

検察にとって不都合な証拠も含め、全ての証拠を公平に調べてください。

そして、山口検事自身が上司から「事件を完成させろ」「主犯の供述を取れ」と追い詰められていたのであれば、そのSOSを被疑者へ向けないでください。

誰が事件の物語を書き、誰が他人を犯人にする供述を取るよう命じたのかを、検察組織の外へ証言してください。

Click here for the National Tax Union and the Prosecutors' Union

Share
Table of Contents