団体交渉の費用
労働委員会が行う、団体交渉に関する、調停やあっせん。
これに果たしていかほどの税金が投入されているのでしょうか?
当組合は、生活保護や社会保障費については、さらに手厚くしていくべき予算であると考えています。
しかし、他方で、権利を保護するための制度に無駄な予算が割かれているのも事実です。
その代表的な例が、法定内労働組合の救済制度です。
この制度は、団体交渉を申し込んだものの、使用者に無視された労働組合が、労働委員会に「無視するな」という命令を出してもらうために、下級法の労働組合法を根拠として、活用できる制度です。
本来、労働三権は、憲法で定められていますので、労働組合には相当強力な権利が付与されているはずです。
しかし、実際には、従来の労働組合は政治色が強かったこともあり、組合員を集めきれず、
減少の一途を辿っています。なので、使用者に無視されてしまう労働組合が多く、労働組合が使用者に団体交渉を申し入れた場合には、使用者は「無視するな」と警告できる制度が必要でした。
この「無視をするな」という警告の役割を果たしているのが労働委員会で、今でもなお、前記救済制度が存在しています。
しかし、現状では、この救済制度の結果が出るのに、2年ほどの時間がかかっており、ここにかけられる予算は非常に膨大です。(福岡県の場合、事務局職員だけで20名ほどですので人件費は1億円程度です)
これらは、労働者の皆さまの社会保障の権利そのものを守るための予算ではなく、労働組合というシステムを守るための二重コストになっています。
これまでの労働組合は、組合員数が少なく影響力も小さいために、企業側が歴史的に団体交渉の要求を無視し続けてきました。この悪しき名残は、新規気鋭の当組合にも降り掛かっています。
いわば、これまでの組合側が、自分達の組織が生き延びるためだけに、組合費を上げ、ぬくぬくと過ごすことだけを考えているから、組合員は減少の一途を辿っています。そして、この負のスパイラルを守る装置となってしまっているのが、労働委員会です。
年間数億円の予算を投じ、2年もかけて解決した申し立ては20件程度です。
これまでの労働組合は、なぜ、組合費だけでなく、労働者の皆さまからの血税までを無駄に執行させようとするのでしょうか。
当組合は、労働組合を無料化し、数を集め、影響力を発揮しないと何も始まらないと考えています。