首都圏青年ユニオン連合会はこれまで、組合活動を通じて、さまざまな実験を行ってきました。
本日は、その実験結果の一つである、「労働委員会がどのような労働組合を法定内労働組合と認めているか?」についてご説明していきます。
法定内労働組合として労働委員会が認めている要件の中でもっとも特徴的なものは、
組合費が発生する労働組合
(労働委員会は、労働者が労働組合に組合費の支払いすることをもって、自主性がある組織と認定している)
ということです。
つまり、労働委員会は、労働組合に問題解決能力があるかは全く見ていません。
しかし、「労働者の皆様が」労働組合に求めるのは、問題解決能力だけでしょう。
労働組合の中には政治色の強い労働組合が多数存在しており、問題解決能力もない、組合費の支払いが必ず求められる労働組合に人が集まるわけもありません。
このような影響力も問題解決能力も持たない少数の労働組合では、企業から相手にされません。
歴史的に、企業に相手にしてされなかったので、労働委員会に救済を申し立てる流れがひたすら続いてきました。
彼らにとっての伝家の宝刀は、この労働委員会への救済申し立てです。
しかし、この救済申立は、決定が出るまでに約3年の年月がかかります。
(当組合は、複数件でこの決定期間の集計を行ってきました)
3年も経てば、社会情勢や個人の立場は大きく変わります。
そして、それだけ時間をかけて出る決定は、「団体交渉に応じなさい」というだけの決定で、実際に、労働者の皆様の救済につながるか否かは、救済の決定が出てからまた多大な時間をかけて議論していく別の話なのです。
つまり、3年待っても、問題解決はできないのが大前提となっているわけです。
では、どうしたらいいのか?
それは、組合費を無料にして、まずは数の力を手に入れることです。
しかしながら、これまでの労働組合には、高額報酬を受け取る専従組合員が歴史的に存在しており、組合費の値下げすら到底無理な話です。
世界中で、様々なイノベーションが起こり、多くの無料サービスが誕生しています。
時代錯誤な手法をとり続けていては、「労働者」に負担を強いることになり、組合離れは加速度的に進んでいきます。
そして、さらに組合員数を減らし、企業からはいよいよ相手にされなくなります。
その度に、労働委員会に救済を求めるという負のスパイラルを只管続けていくのが法定内労働組合であるということが、実験の結果、明らかになった事実です。
もはや、労働委員会の救済など不要で、自力で問題解決できる法定超労働組合しか今後は必要ないと考えています。