当組合では、タイミーの違法性について度々指摘をしてきましたが、その指摘を全く意に介さず、タイミーや株主、東京証券取引所、主幹事証券、監査法人によって上場が承認されたことにより、タイミー以外のスキマバイトサービスについても、一定の市民権を獲得する結果となってしまいました。
パーソルホールディングス株式会社とランサーズ株式会社が2019年1月に設立した合弁会社である、シェアフル株式会社の運営するスキマバイトアプリ「シェアフル」もその一つですが、やはりシェアフルにおいても、タイミーと同様に労働者の権利を不当に踏み躙る問題が山積していると思われます。
今回は、社会保険労務士である大嶋容市氏より、当組合に対して記事の寄稿を頂きましたので、以下にご紹介させて頂きます。
人材紹介アプリのシェアフルでの日雇勤務に感じた疑問
事の顛末
以前から、人材紹介アプリでの就労環境に興味があり、シェアフルという人材紹介アプリに登録いたしました。2024年8月25日、横浜市金沢区にあるガスト釜利谷店に11時から15時の勤務として労働契約に基づき就業しました。未経験者歓迎ということでこちらに決定しました。
30分早いですが、10時30分ほどから下げ膳作業を行っていきました。そのうち、テーブルにスープを届ける仕事などを頼まれるようになりました。 下げ膳のほかに、中間下げといってまだ会計済みとされていないテーブルのお客様の膳を片付ける作業も慣れるうちに行いました。他のスタッフの下げ膳を片付けるなど協力もしました。未経験で作業は若干遅いとは思うものの、大きなトラブルもなく就労できたと考えています。
㈱すかいらーくグループの対応
シェアフルのアプリからマネージャーの連絡は不当に低い評価と所定外時間を考慮に入れていないものでした。納得がいかないため、お客様相談室にサービス残業があったこと、未経験を勘案しても適切な就業であるのに不当な低い評価であることを伝えました。お客様相談室からは、今日中に店舗管理者からの連絡と謝罪があること、サービス残業を改めることを言われました。シェアフルのアプリからマネージャーに記録の間違いと謝罪がありました。10時29分始業、15時06分終業に改められました。
しかし、評価の方は改められず低いままでした。
労働法からの問題点(シェアフル)
まず、シェアフルなどの人材紹介アプリは企業との直接雇用であることから、禁止される日雇い派遣に該当しないという形をとっています。直接雇用であるということは、パート、アルバイト、正社員と変わらない労働者としての権利があるということになります。すなわち、日雇い労働者といえども、人事評価が適正に行われる必要があります。
さらに、今回の店舗のレビューは店の人事評価と同義になります。なぜなら、労働者の労働に対する評価であるからです。評価基準はマネージャーなど管理者の恣意的な判断であってはならず、労働者に説明できる必要があります。この判断は判例事例から導き出しています。
また、労働基準法3条均等待遇によるパート、アルバイト、正社員との評価基準との整合が保たれる必要があります。今回の評価レビューは、直接労働者の雇用機会に影響を与えることから、通常の評価基準よりも労働者に与える影響は大きく、慎重な判断が使用者には求められます。
今後の展開(シェアフル)
今後は、グローバルユニオンを通じて、人事評価基準の公開請求を行います。私個人への評価に対する根拠となる考えも聞いていきたいと思います。個人への評価の考えは開示拒否するとしても正当な根拠を労働者に伝える必要があります。
社会保険労務士としての倫理からも、不当な労働環境の是正は行われていくべきだと思います。評価レビューという簡易な評価方法は労働者の就業環境を損なう危険性があります。
今後の展開もお伝えしていきます。
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