グローバルユニオンの書面公開の方針について
当労働組合では,案件によってではありますが,交渉を行っている相手方企業の主張内容,書面自体を公開することを原則としております。
これは,当労働組合が広くインターネット上で当該企業における個別労働紛争及び当該企業が抱える問題点を指摘し,10万人に及ぶ当労働組合の組合員,並びにサイト閲覧者の方々の目に触れる状況を作っていることの責任として,当該企業側の主張も正確に伝えなければ公平性が保てず,独善的な活動になってしまう恐れがあると考えてのことです。
この点,特に従来の労働組合では多くの場合,労働組合側の一方的な意見,中傷を繰り返すのみで企業側の意見をくみ取り,発信することはありません。一例としては,企業側との従前からの契約に基づき執行役員として首都圏青年ユニオンとの団体交渉に臨んだ際,その団体交渉中,当該企業の執行役員の名刺のみ提示して話を進めていたにもかかわらず,首都圏青年ユニオン側の参加者がインターネットで検索したところ,当該執行役員が社会保険労務士の資格を有していることが判明したために,執行役員との立場を全く無視して,「社会保険労務士が団体交渉に参加することは非弁行為だ」「社労士会に懲戒請求するぞ」等と大声で追及をはじめ,団体交渉が進まなくなってしまったことがありました。また,首都圏青年ユニオンはその後も雑誌やtwitterなどで同内容のことを主張し続けておりました。しかし,上記については,団体交渉の時から,当該執行役員は,会社とは団交申し入れがある数カ月も前から雇用契約を締結し執行役員に就任していたのであり,社会保険労務士として会社と関わっていたわけではなく,非弁行為と指摘される理由は何ら存在しないことを複数回に亘り説明しておりました。それにもかかわらず,首都圏青年ユニオンは事実に基づかない主張を繰り返し,一方的に当該執行役員を非弁行為という違法行為を行う社会保険労務士であると決めつけ続けたのです。当然,上記のような執行役員側の主張が紹介されることもありませんでした。
労働組合は,労働者の権利を保護するための団体であり,労働者のために,労働者が団結して企業と戦う団体です。そのため,その性質上公益的な側面を持つ団体です。そして,SNSを始めとしたインターネットの発達により,労働組合による情報発信は以前より格段に容易に,広範囲に行うことができるようになりました。
公益的な活動を担うべき労働組合であり,社会に強力な影響力を有する労働組合が,自己の意見のみを発信し続けていていいのでしょうか?
そのような偏った情報を発信し続けることが,労働者の,ひいては社会の利益に資するのでしょうか?
我々,首都圏青年ユニオン連合会は,日本最大の情報会員を有する労働組合として,一方的・片面的な意見を圧倒的情報量で発信することで企業を社会的に抹殺してしまうような手段をとるべきではないと考えております。企業側の主張も紹介し,閲覧者には双方の意見を見た上で,自身で是非を判断できる機会を提供するべきであると考えておりますし,このような考え方が表現の自由における対抗言論の考えにも資するものであると考えております。
しかし,今般,相手方企業の代理人弁護士から,自身の作成名義に関わる訴訟上の主張書面を公開することは嫌がらせ目的によるものだとする主張書面が提出されました。当労働組合の公表の意図は上記の通り,むしろ公平性を担保するためのものでしたが,相手方が当該案件に関しては,少なくとも自身の主張をそのまま公開されることを望んでいないとの表明をいただきましたので,今後は当労働組合において内容を要約したものを掲出させていただくこととさせていただきます。
平成30年10月10日書面要旨
1 労働組合の要求には一切応じない
2 研修費用の返還の規定は「ハラスメント規定」ではない。
この研修費用は,会社の業務に必要な特別な技能を教わるための費用であり,会社が立て替えて支払ったものを,1年以上勤務した従業員についてはその返済を免除しているのみである。返済免除の条件は1年間の就労のみであり,また,事前に了承を得ている。
3 組合員の退職の理由は個人的なものであって,精神的肉体的に限界まで追い込まれ出社することが不可能な状態に至り,退社する必要が生じ,退社したというものではない。
4 メディアや労働基準監督署への通報を予告した上,金200万円という明らかに法外な慰謝料を請求することは,ただの脅しであり,不当な金銭請求である。
5 首都圏青年ユニオンに問い合わせたが全く関係ない団体であるとの回答があった。首都圏青年ユニオン連合会の執行委員長及び書記長は社会保険労務士と司法書士の資格を有していながら,明らかに不当な脅しを行っていることについて,今後も要求を続けるならば,士業として所属する団体に対して通報することを予定している。
6 会社は首都圏青年ユニオン連合会とは交渉するつもりは一切ない。
メディアや労働基準監督署への通報は,明らかに業務妨害行為ないし名誉棄損行為に該当するので絶対に止めてもらいたい。
平成30年11月1日要旨
1 研修費用について
研修は従業員全員に受けてもらうものであり,事前に承諾を得ている。入社をしないという選択肢もあったのに同意して入社を選択した。
研修内容は企業秘密に該当する情報であるため,企業秘密の管理のために早期に退社の場合には少なくとも対価を支払っていただく必要がある。
退職を著しく制限することは許されないと考えているが,1年以内に退職する人のみ研修費用の負担としているのでバランスとして問題ない。
首都圏青年ユニオン連合会が提示する浦和地裁の事案とは,制限の程度,負担させる金銭,その他の労働条件,及び合意に至った経緯について相違がある。本件の返還合意は有効なものであり,少なくとも一律無効とされるようなものではない。
会社は1年以内に退職したすべての従業員に研修費用の支払いを強制するわけでない。本件組合員は自己都合の理由等に基づく退職であるため請求しているものであり,本件の経緯としては規定通り研修費用の請求をするのは当然である。
2 退職の経緯について
シフトが入っている当日に突然音信不通になり,その後に「彼女と別れて家を追い出されて携帯充電ないままでした」との返信があった。
上記理由は自己の責任を認めるものであり正直な理由であったはずである。
会社では常にクリーンな労働環境に努めてきており違法行為を繰り返したようなことはない。
3 人員確保による損害賠償金請求について
無断欠勤は労働契約上の義務違反があることは明らかであり,それによって発生した損害について賠償してもらう必要がある。決して不当な請求ではない。
4 慰謝料について
会社にはハラスメント規定と言われるようなものはなく,不法行為はない。
ハラスメントによる慰謝料の金額として200万円は相場と比して高額である。金額の根拠が示されておらず,抽象的な主張にとどまり,説明がない。
会社の労働環境はクリーンであり,人間関係も良好である中で,就労しているだけで精神的苦痛を受けるというような過酷な状況にはなかったはずであり,ハラスメント規定の存在と精神的苦痛との因果関係がない。
会社としては請求の根拠なる事実の主張,立証が欠けている以上,やましい点がなくても精神的に追い詰められるし,会社代表者としては脅しと捉えても仕方がない。
5 「組合の執行役員等に関する期限の追及について」について
不当な要求が続くのであればという可能性の話である。請求を続けるならば請求の具体的根拠を示してもらいたい。
なお,この追及については代理人弁護士が主導するものではない。
6 団体交渉について
14日~16日は都合がつかない。19日一日,20日午前で調整の上,都合を早めに連絡もらいたい。
令和元年10月9日通知書要旨
グローバルユニオンのブログ記事に事実関係を歪曲させた形で書き込みがある。
1 講習費用の請求
記事内に講習費用を執拗に請求されていると記載があるが,会社が執拗に請求したことはない。本件について会社が返還を請求することは何ら問題ない。
また会社から執拗に請求する機会はなかったし,会社が実質的にタダ働きとなるようなスキームを組んでいたこともない。
2 退職の経緯
記事内に,入社当初より肉体的負担が大きく,業務従事するたびに親指に痛みを伴うため,退社を希望していたが,前述のいわば前借金させるような規定があったため,やむを得ず勤務し続けていたところ,精神的・肉体的に限界に達し,会社に出勤できない状態に陥ってしまった,出勤できなくなった日以降の人員補填費用を請求されているとの記載があるが,退職理由は当時の店長等とのLINEでのやり取りにある通り,恋人と別れ居住先を失ったためである。
3 団体交渉に至る経緯
会社が首都圏青年ユニオン連合会からの通知書を放置し続けてきたことはない。
団体交渉については,労働委員会が始まった後については,「対等でない状態での交渉はできず,まずは労働委員会の命令が出るのを待ってから」と言って団体交渉を拒んだの首都圏青年ユニオン連合会の方である。
4 名誉棄損乃至信用棄損
上記のような行為は名誉棄損罪及び信用棄損罪等に該当するものである。
本通知書を以て早急に記事の削除と名誉回復措置をとっていただきたい。仮に令和元年10月18日までに削除等が確認できない場合は法的措置をとる。また,会社代表者は各所関係機関に対する相談及び苦情申し入れをする話をしているのでその旨通知する。