組合専従者への疑問
まず,千葉県医労連永島Pや首都圏青年ユニオンの山田真吾氏、UAゼンセン佐田労働組合南部茂氏は, 行政機関である労働委員会が憲法上の労働組合性を判断しているような主張をしていますが,労働委員会は「不当労働行為の救済申し立ての資格」に関してのみ判断することが出来ます。
つまり,労働委員会は,労働組合に行政指導をしたり,取り締まるような権限もないため,「規約」でのみ,法定内労働組合か否かを形式的に判断することしかできません。
このことは,グランティア株式会社事件決定においても,労働委員会が「これらは,規約に含まれていればよく,労働委員会における労働組合の資格審査において,実際に規約どおり運用されているかどうかまでは求められていない」と明記していることからも明らかです。それにもかかわらず,千葉県医労連永島Pは,労働委員会の決定が司法上の判断と同一水準にあることを前提とした飛躍した主張を展開しています。
当組合は,ホームページ等にも記載している通り,365日24時間の電話対応をしているため,千葉県医労連永島Pが主張するような6名のみで運営していないことは明らかですし,そもそも,千葉県医労連永島Pが当組合の組合員数を把握している通り,数万人単位の組織運営を6名のみでできるはずがありません。
つまり,労働委員会は当組合に「規約」に関しての質問をしてきて,当組合は「規約」に対して回答してきた結果,法定内労働組合としての「規約」ではないと判断されたところです。しかし,規約以外の実態としては,ITを駆使して,個別の通知等を駆使する方法で,柔軟に対応し,組合員に負担の最も少ない自主性をもらいながら,運営しています。
千葉県医労連永島Pは,当組合について,労働組合法2条本文の自主性を欠く組合であり憲法上の労働組合性すら否定せんと主張を展開しておりますが,肝心の「自主性」が何たるかについては一切言及がありません。千葉県医労連永島Pは労働委員会の決定において自主性が否定されていると述べるのみですが,労働委員会の判断は形式的,外面的に規約記載上の審査をした上で「不当労働行為の救済申し立ての資格」がないことを判断したのみであり,当組合の憲法上の労働組合性を否定したものではありません。
憲法上の労働組合性すら否定するならば,現に多数の労働者から日々相談を受け,組合員の意思に基づき団体交渉を行い解決し労使環境の改善しているこの実態についても労働者の主体性,自主性が否定されなければなりませんが,上記決定書にはそれら実態に踏み込んだ判断は何らありません(この判断には他の労働組合の実態との比較が欠かせないと考えております。現在,組合専従者ではなく労働者が真に自主性と主体性を以て活動している労働組合がどれだけあるのでしょうか。)。
千葉県医労連永島Pの主張は形式的に行われた労働委員会の決定に「労働組合法第2条の要件を欠いている」との文字があることを拡大解釈する言葉遊びのようなものに過ぎず,何らの実質的な論拠も持たないものです。
当組合が,規約に全てを定めて,明らかにしないのは,共産主義的な思想を持つ人間が(今回まさに情報公開条例に基づき,行政機関から情報を取り寄せ,6名を特定しておりますが),ここからさらにエスカレートして,関西生コン事件のような身の危険が及ぶような事件に発展していくリスクを徹底的に排除するためです。つまり,労働委員会に救済を申し立てる「だけ」の権利を確保するために,「規約」を明らかにして身元を明らかにすることは,組合費無料の当組合としては非常にリスキーです。昨今の関西生コン事件のような「労働組合費」にしがみつく危険思想を持つ集団から身を守るための防衛策として,法定内労働組合でない労働組合の形を示したことで,当組合の組合員はますます増え続けています。
そもそも,自主的に運営されているからこそ,どの労働組合よりも多くの組合員が短期間で加入していっていることは,火を見るよりも明らかな事実です。つまり,繰り返しになりますが,労働委員会は,法定内労働組合としての「規約」を有しているか否かを判断しているだけなのに,「規約」以外の実態を全て無視した上で,当組合を労働組合ではないと決め付けてしまう千葉県医労連永島Pの短絡的な言動こそが労働組合の成長を妨げるものであると主張しているところです。