同じスキーム図は犯罪計画書にも行政照会資料にもなる
一枚のスキーム図があります。
複数の会社、出資者、貸付先、資金の流れが矢印で結ばれています。
検察が見れば、資金還流の犯罪計画書に見えるかもしれません。
行政担当者へ持参された資料であれば、制度上の取扱いを確認するための質問資料かもしれません。
投資家へ示された資料であれば、事業構造と投資後の展開を説明する営業資料かもしれません。
同じ図でも、誰が、いつ、何のために作り、誰に見せたかによって、証拠としての意味は全く異なります。
中野爵喜被告のスキーム図は誰に見せるための資料だったのか
検察ユニオンが保全する資料では、中野爵喜被告が、エンジェル税制を利用した投資、再投資、貸付け、事業休止の可能性などを記載した説明文書やスキーム図を、投資家へ示していたとされています。

また、中野爵喜被告は、行政機関へ同様の取引構造を照会し、得た回答を投資家へ説明していたとの記録があります。
仮に、スキーム図が行政担当者へ提示され、その上で制度上直ちに否定されないとの回答を得た資料だったのであれば、その図は秘密の犯罪計画とは性質が異なります。
反対に、行政へ見せた図と、実際に実行した資金移動が異なるのであれば、その相違点こそが捜査対象です。
図だけを取り出し、「複数法人を経由しているから共謀」と結論付けることはできません。
「投資家の皆様へ」と題する文書は周辺資料ではない
高額な株式投資は、投資契約書一枚を見て即座に決まるものではありません。
投資先の事業、経営者、資金使途、税制、リスク、出口戦略、投資後の展開について説明を受け、質問し、その回答を踏まえて意思決定します。
中野爵喜被告が投資家へ交付したとされる「投資家の皆様へ」と題する文書が存在するのであれば、それは投資意思形成の中心的証拠です。
金本重徳氏が、何を信じ、どのリスクを認識し、何を行政確認済みと理解したかを判断するには、契約書だけでなく、この説明文書と面談内容を確認する必要があります。
この文書を押収せず、投資家にも質問せず、資金が動いた結果だけから故意を推認することは、投資判断の前半を意図的に空白にすることになります。
行政回答記録が真実なら金本重徳氏の故意認定が難しくなる
中野爵喜被告が作成した行政照会記録が真正であり、実際に行政担当者へ取引構造を説明し、制度上直ちに否定されないとの回答を得ていた場合、金本重徳氏がその説明を信頼したことには合理性があります。
行政回答は、個別取引の適法性を最終保証するものではありません。
それでも、公認会計士の説明、行政照会記録、確認書、増資登記を示された投資家について、「最初から脱税と知っていた」と認定するには、別の強い証拠が必要です。
行政へ示していない秘密の事実を金本重徳氏が知っていた。
គាត់បានជាប់ពាក់ព័ន្ធនឹងកិច្ចព្រមព្រៀងសម្ងាត់ដើម្បីប្រគល់ប្រាក់វិញតាំងពីដើមដំបូងមកម្ល៉េះ។
株式や投資リスクが名目的なものだと認識していた。
そのような具体的事実を立証しなければなりません。
行政回答記録が虚偽なら金本重徳氏は出資詐欺の被害者になり得る
反対に、中野爵喜被告が行政機関へ実際には照会しておらず、存在しない回答や誇張した回答を文書へ記載し、投資家を信用させていた場合、事件の構造は根本から変わります。
行政確認を受けたように装い、多額の出資を受けたのであれば、金本重徳氏その他の出資者は、脱税の共犯者ではなく、虚偽説明によって財産を交付した被害者である可能性があります。
行政回答が真実でも虚偽でも、現在の単純なストーリーはそのままでは成立しません。
真実なら故意を否定する証拠となり、虚偽なら出資詐欺を示す証拠となるからです。
公認会計士・齊藤悟志氏が5億円の振込みに関与したとの資料
検察ユニオンが保全する関係資料では、公認会計士・齊藤悟志氏が、エンジェル税制と株式会社Nへの投資について説明し、5億円の振込みにも同席したとされています。
齊藤悟志氏は、監査法人での勤務や上場実務への関与経験を有する公認会計士です。
税務・会計の専門家が制度を説明し、実際の送金にも立ち会っていたのであれば、金本重徳氏が適法な投資と信じた可能性を検討しなければなりません。
横浜地検が齊藤悟志氏について「制度を十分理解していなかった」と評価しながら、税務の専門家ではない金本重徳氏には完全な理解と脱税の故意を認定するのであれば、責任評価が逆転しています。
専門家が理解できなかった制度を、なぜ投資家だけが理解していたのか
齊藤悟志氏が制度を理解していなかったなら、専門家の説明を信じた投資家の故意は慎重に判断すべきです。
齊藤悟志氏が制度を理解した上で適法と説明していたなら、その説明内容と根拠を調べるべきです。
齊藤悟志氏が違法性を理解していたなら、なぜ投資家だけを中心に捜査するのかが問われます。
いずれの可能性でも、専門家の役割を曖昧にしたまま、非専門家の投資家だけに故意を集中させることはできません。
សំណួរបើកចំហទៅកាន់ការិយាល័យព្រះរាជអាជ្ញាសាធារណៈស្រុកយូកូហាម៉ា និងការិយាល័យពន្ធដារតំបន់តូក្យូ
- 中野爵喜被告が作成した「投資家の皆様へ」と題する文書を確認しましたか。
- 文書の作成日、配布先、配布時期を確認しましたか。
- 金本重徳氏が投資前に同文書を見たか確認しましたか。
- 中野爵喜被告のスキーム図が、行政照会資料、投資家向け資料、犯罪計画書のどれであると評価していますか。
- その評価の根拠となる作成目的、送付先、使用場面を確認しましたか。
- 行政担当者へ、同じスキーム図または同内容の説明を受けたか質問しましたか。
- 行政回答記録が真正か、担当者の記録と照合しましたか。
- 記録が真正なら、金本重徳氏の故意をどの証拠で認定していますか。
- 記録が虚偽なら、中野爵喜被告による出資詐欺を捜査していますか。
- 齊藤悟志氏が制度説明と5億円の振込みへ関与した事実を確認しましたか。
- 齊藤悟志氏と金本重徳氏の認識可能性を、どの基準で区別しましたか。
- 専門家より非専門家の方が違法性を深く理解していたとする特別な証拠は何ですか。
សំណួរបើកចំហសម្រាប់លោក Satoshi Saito
- 金本重徳氏へ株式会社Nへの投資とエンジェル税制を説明しましたか。
- 適法な制度利用であるとの趣旨を説明しましたか。
- 5億円の振込みに同席または関与しましたか。
- 中野爵喜被告の行政照会記録を確認しましたか。
- スキーム図が行政担当者へ示された資料であると認識していましたか。
- 株式会社Nの事業実態、資金使途、再投資計画をどこまで把握していましたか。
- 金本重徳氏へ、投資後に税制適用が否定される可能性を説明しましたか。
- 本件について横浜地検・東京国税局へ行った説明を明らかにできますか。
図面の意味を決めるのは、矢印の多さではありません
複雑な図面は、見た人に不正の印象を与えます。
しかし、証拠の意味は見た目では決まりません。
誰が、いつ、誰に見せる目的で作ったのか。
行政へ質問するための資料だったのか。
投資家へリスクを説明する資料だったのか。
秘密の犯罪計画だったのか。
その文脈を確認せず、矢印だけで共謀を認定することはできません。



