鹿児島地検の担当者「池田検事・清水検事」に問いかけよう

検察ユニオンは、プレサンスコーポレーション事件の取り調べをめぐり、特別公務員暴行陵虐罪に問われている現職検事・田渕大輔被告の公判報道を受け、鹿児島地方検察庁が発出したとみられる一通の書面を、改めて社会に問いかけます。

田渕被告は、取り調べで机をたたき、「検察なめんな」「命かけてるんだよ」などと発言したとされ、2026年7月15日の第2回公判では取り調べ映像が法廷で上映されました。田渕被告は、起訴対象となった言動があったこと自体は認めつつ、特別公務員暴行陵虐罪には当たらないとして無罪を主張しています。

https://www.sankei.com/article/20260715-2H2BW5K545MLPJVVI3O2ENZETI

この裁判が社会に示したのは、取り調べの録音・録画が存在しなければ、密室で何が起きたのかを市民が検証することは極めて難しいという現実です。そして、問題は怒号や机をたたく行為だけではありません。書面の作り方、期限設定、用件の説明、逮捕を示唆する文言にも、捜査機関が市民をどのように扱っているかが現れます。

目次

金曜日に作成し、月曜日午後3時に東京から鹿児島へ来いという書面

検察ユニオンが確認した書面は、令和8年6月19日付けです。書面上、東京都内の受取人に対し、わずか3日後の令和8年6月22日月曜日午後3時までに、鹿児島地方検察庁へ出頭するよう求めています。

6月19日は金曜日、6月22日は月曜日です。間に土曜日と日曜日を挟みます。発送方法、差出時刻及び実際の到達日は書面だけでは分かりません。しかし、日本郵便は普通郵便の土曜日配達を休止し、締切のある郵便物は余裕をもって差し出すよう案内しています。金曜日に差し出した普通郵便は、地域や差出時刻によって月曜日又は火曜日の到着が目安となり得ます。

つまりこの書面は、送付方法によっては、受取人が東京都内で書面を受け取った時点で、指定時刻が目前に迫っているか、すでに過ぎている可能性さえある日程です。受取人には、仕事や家庭の予定を調整し、航空券等を手配し、関係資料を準備して鹿児島まで移動する時間が必要です。

これは捜査協力の依頼なのか、できない約束を押し付ける試験なのか

事情を尋ねたいのであれば、相手が現実に対応できる期間を設けることが最低限の前提です。対応困難な期限を一方的に置き、その直後に「正当な理由なく出頭しない場合、逮捕される可能性があります」と記載すれば、受取人は「説明の機会を与えられた」のではなく、「応じられない状況を作った上で威圧された」と感じても不思議ではありません。

怒鳴り声と出頭要請書を単純に順位付けすることはできません。しかし、密室の怒号だけでなく、文書によって制度的な圧力を加えることもまた、捜査の適正を考える上で重大です。書面に現れる強引さは、田渕被告の公判で問われている問題と別の形で、検察の市民感覚との乖離を映しているように見えます。

「税法違反」とは、どの法律の何条違反なのか

書面の用件欄には、「中野爵喜との共謀による税法違反の件」と記載されています。

国税庁自身が案内しているとおり、租税に関する法令には、所得税法、法人税法、消費税法、国税通則法、租税特別措置法など、複数の法律、政令、省令及び規則があります。「税法」はこれらをまとめて指す言葉としては使われますが、単一の具体的な法律名や罪名を示すものではありません。

まして、東京から鹿児島への移動を求め、出頭しなければ逮捕の可能性まで記載する書面です。対象が消費税法違反なのか、法人税法違反なのか、所得税法違反なのか、被疑者としての呼出しなのか、参考人としての事情聴取なのか、書面から判別できません。

国家機関が市民に重大な負担を求めるなら、「だいたい税金関係です」では足りません。何の事件について、どの立場で、何を確認するために呼ぶのか。可能な範囲で説明するのが、適正手続と信頼確保の出発点です。

書面上の担当者「池田・清水」は、どのような権限でこの書面を作成したのか

添付書面の連絡先欄には、「担当 池田・清水」と記載されています。ただし、この書面だけでは、両名が検事なのか、検察事務官なのか、その他の職員なのか、役職及びフルネームまでは確認できません。

検察ユニオンには、書面上の池田・清水両担当者について、「田渕被告の事件で問題になったような、結論を先に置いた強引な捜査をしていないか検証すべきだ」との声が寄せられています。名指しで検証する以上、まず鹿児島地検が両名の職名、権限、書面作成への関与及び決裁経路を明らかにすべきです。

検察ユニオンは、書面だけを根拠に両名が違法な取り調べを行ったと断定するものではありません。だからこそ、録音・録画、面談記録、決裁記録及び発送記録を保存し、第三者が検証できる形で説明することを求めます。

なお、すでにこの「担当 池田・清水」については両名とも検察官であるという情報が拡散されており、当組合においても池田検事と清水検事として既に知れ渡っています。

「命をかける」のではなく、法令遵守と説明責任をかけてください

田渕被告は取り調べ映像の中で、「命かけてるんだよ」と発言したと報じられています。しかし、検察官が捜査で賭けるべきものは、取調べ対象者の尊厳でも、自分や相手の命でもありません。

公務員として賭けるべきものがあるとすれば、それは職責、証拠に基づく判断、適正手続、そして誤りが判明したときに説明し是正する責任です。

池田・清水両担当者が、適正な目的と手続のもとでこの書面を作成したのであれば、日程設定、用件表示及び逮捕可能性の記載について、堂々と説明できるはずです。「命より大きいもの」を賭ける必要はありません。職務上の説明責任を果たしていただければ十分です。

鹿児島地方検察庁及び福岡高等検察庁への公開質問

  1. 令和8年6月19日付けの添付書面は、鹿児島地方検察庁が正式に作成・発出したものですか。
  2. 書面上の「担当 池田・清水」の両名について、フルネーム、職名、所属部署及び本件における権限を明らかにしてください。
  3. 書面は、いつ、どこから、どの方法で発送されましたか。発送及び到達を確認できる記録はありますか。
  4. 東京都内の受取人に対し、金曜日付けの書面で翌月曜日午後3時の鹿児島地検への出頭を求めた理由は何ですか。
  5. 受取人が書面を受領してから、移動、業務調整及び資料準備を行うために、何時間又は何営業日を確保できると想定していましたか。
  6. 電話、オンライン面談、東京の検察庁での聴取、日程調整など、受取人の負担を軽減する代替手段を検討しましたか。
  7. 用件を「税法違反」とのみ記載した理由は何ですか。対象となる具体的な法律、事件及び受取人の立場を、なぜ可能な範囲で示さなかったのですか。
  8. 本件出頭は任意の協力要請ですか。それとも刑事訴訟法その他の法令に基づく手続ですか。
  9. 「正当な理由なく出頭しない場合、逮捕される可能性があります」とする記載の具体的な法的根拠及び本件で想定した要件を明らかにしてください。
  10. 受取人が指定日に出頭できない旨を連絡した場合、どのように日程調整を行う運用でしたか。
  11. 本件について、池田・清水両担当者による事情聴取又は取り調べが行われた場合、その録音・録画及び面談記録は保存されていますか。
  12. 本書面の文言及び期限設定について、上司、次席検事、検事正その他の決裁又は確認を受けましたか。
  13. 福岡高等検察庁は、本書面及び同種書面の運用について監督・検証を行う考えがありますか。
  14. 田渕大輔被告の公判を受け、鹿児島地検は、威圧的又は結論誘導型の取調べを防止するため、どのような再点検を実施しますか。
  15. 本件について、受取人その他の関係者から苦情、抗議、日程変更の申入れ又は不適切対応の申告を受けていますか。

公判は適法な傍聴によって検証されるべきです

田渕被告の公判では、実際の取り調べ映像が公開法廷で上映され、市民と報道機関が捜査の実態を直接確認しました。検察の行為が法廷で争われる場合、市民が適法に傍聴し、何が語られ、どの証拠が示されたかを確認することには大きな公益的意義があります。

将来、本件に関する公判が開かれ、池田・清水両担当者又は関係者が証人として出廷する機会があるならば、検察ユニオンは公開法廷での適法な傍聴を通じて検証するよう呼びかけます。

ただし、傍聴は威圧、接触、つきまとい、撮影、個人攻撃又は私刑の場ではありません。裁判所の規則と職員の指示を守り、法廷内で示された事実を冷静に確認するためのものです。

ラストワンマイル周辺の捜査にも、同じ説明責任を

添付書面の用件は、「中野爵喜との共謀による税法違反の件」です。この事件は、熊本国税局、鹿児島地検、福岡高検、株式会社ラストワンマイル、渡辺誠氏及び、外部に流通しているとされる「馬見塚メモ」をめぐる一連の問題と切り離せません。

関係者に対しては、極端に短い期限と逮捕を示唆する文言で遠距離出頭を求める一方、馬見塚メモに名前や資金の流れが記載されているとされるラストワンマイル及び渡辺誠氏について、どこまで同じ強度で調査したのでしょうか。

検察が本当に「命をかける」ほど真相解明に取り組むというのであれば、立場の弱い関係者だけに負担を集中させるのではなく、実質的な指示者、資金の最終的な受益者、端末やログイン情報を管理した者、押収物が早期返還された者についても、同一の基準で捜査しなければなりません。

出頭要請書一枚にも、捜査機関の姿勢は表れます。鹿児島地検と福岡高検には、池田・清水両担当者の職務執行、本件書面の作成経緯、ラストワンマイル周辺を含む捜査の公平性について、具体的に回答するよう求めます。

検察ユニオンの結論

「検察なめんな」という言葉が問題なのは、表現が乱暴だからだけではありません。検察が、自らを市民より上に置き、説明せず、疑問を持つ者を力で従わせてよいという発想が透けて見えるからです。

金曜日付けの書面で、週明け月曜日に東京から鹿児島へ来いと求める。「税法違反」とだけ書く。応じなければ逮捕の可能性を記す。その一方で、具体的な法令、受取人の立場、日程設定の理由は示さない。これが適正な運用だというのであれば、鹿児島地検は社会に説明してください。

説明できないのであれば、書面の運用を改め、関係者に謝罪し、同様の事態を防ぐ仕組みを整えるべきです。検察ユニオンは、田渕大輔被告の公判を一地方の一検事だけの問題として終わらせず、鹿児島地検を含む検察組織全体の適正手続と説明責任を問い続けます。

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