検察は対面調査を増やし公平な捜査を

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一人の証言は「点」でも、独立した証言が重なれば「構造」になる

検察ユニオンは、ラストワンマイル社、渡辺誠氏、中野爵喜被告、熊本国税局及び鹿児島地方検察庁をめぐる一連の問題について、事情を知る被害者、元従業員、取引先、関係法人その他の関係者が、各自の知る事実を検察へ直接伝えられる環境を整えるよう提言します。

法務省自身、事件の真相を明らかにするためには、被害者や参考人の事情聴取への協力が必要であり、その協力によって真相解明が可能になると説明しています。つまり、検察にとっても、現場を知る人の声は「迷惑な追加情報」ではなく、本来の捜査を成立させるための基礎資料です。

一人だけが語れば「個人的な恨み」「勘違い」「伝聞」と処理されることがあります。しかし、互いに内容を打ち合わせていない複数人が、それぞれ別の立場から、日時、場所、金銭、端末、口座、LINE、メール、指示系統などについて符合する説明をすれば、単独では見えなかった全体像が可視化されます。

恐れるべきは「市民のやり返し」ではなく、独立した証言の照合です

ここでいう証言の集積は、誰かを集団で攻撃することでも、話をそろえることでもありません。むしろ逆です。各人が、他人の説明に合わせず、自分が直接見聞きした事実だけを、自分の言葉で、客観資料とともに伝える。その独立性こそが重要です。

関係者が恐れるべきものがあるとすれば、それは「複数人からの報復」ではありません。過去の説明、社内での発言、資金移動、端末の管理、押収物の返還経緯などが、複数の独立した供述と資料によって照合され、後から作った説明が通用しなくなることです。

対面聴取が増えれば、ラストワンマイル周辺の問題は立体的に見えてくる

ラストワンマイル周辺の問題には、立場の異なる多数の関係者が存在します。元役職者、元従業員、現従業員、取引先、業務委託先、投資家、税務調査を受けた法人や個人、端末や帳簿を押収された方、カンボジアでの事情を知る方などです。

それぞれが持つ情報は、一見すると小さな断片に見えるかもしれません。しかし、誰が指示を出したのか、誰がログイン情報や実印を管理したのか、誰が資金の最終的な利益を得たのか、誰の端末だけが早期に返還されたのか、誰が捜査情報を事前に知っていたのかという論点は、複数の証言を時系列で並べることで初めて検証可能になります。

対面で説明する意味

電話やメールだけでは、事情の前後関係、資料の意味、人物関係、用語の使われ方まで十分に伝わらないことがあります。対面聴取であれば、担当者がその場で疑問点を確認し、追加資料の所在を聞き、別の証言との矛盾や符合を検討できます。

もっとも、相談した全員に対面聴取を実施する法的義務があるわけではなく、相談しただけで捜査や起訴が約束されるものでもありません。また、対面聴取が必ず録音・録画されるとも限りません。それでも、対面での説明を希望する旨を明確に伝え、資料を正式に提出し、受付日、担当部署、提出物の控えを残すことには大きな意味があります。

検察庁自身が「直接会って相談したい場合」を案内している

法務省は、検察庁へ直接会って相談したい場合も、まず被害者ホットラインへ電話し、相談内容を伝える方法を案内しています。鹿児島地方検察庁も、被害相談や事件に関する問い合わせのための被害者ホットラインを設けています。

したがって、事件について直接知っていることがある被害者や関係者は、「自分の知る事実を対面で説明したい」「手元の資料を見ながら説明したい」と申し出ることができます。対面聴取をするかどうかは捜査機関の判断ですが、相談すること自体をためらう必要はありません。

証言を届ける際に守るべき五つの原則

  1. 自分が直接見聞きした事実と、人から聞いた話を明確に分けること。
  2. 日時、場所、相手、発言内容、金額、口座、端末などを可能な限り時系列にすること。
  3. LINE、メール、録音、契約書、送金記録などは編集せず、原本や元データを保存すること。
  4. 他の関係者と供述内容をそろえず、それぞれが独立して説明すること。
  5. 提出した資料、相談日時、担当部署、連絡内容の控えを自分でも保存すること。

人数を増やすこと自体が目的ではありません。重要なのは、独立性のある正確な情報が増えることです。同じ文章を大量に送る行為や、事実を知らない人に通報を促す行為は、真相解明を遠ざけます。検察ユニオンは、虚偽申告、誇張、口裏合わせを一切推奨しません。

鹿児島地検と福岡高検に求めること

ラストワンマイル周辺の一連の問題について、既に国税当局から検察へ情報が引き継がれ、関係者の中には対面での説明を希望している方がいるとされています。そうであるならば、鹿児島地検と福岡高検は、相談者を宙に浮かせず、情報提供を受け付ける担当窓口と手順を明確にすべきです。

  1. 本件に関する被害者、参考人及び情報提供者の窓口を明確にすること。
  2. 対面聴取を希望する者に対し、実施の可否又は今後の手続を連絡すること。
  3. 各人の供述を独立して聴取し、他の供述や客観資料との符合・矛盾を検証すること。
  4. ラストワンマイル社、渡辺誠氏、中野爵喜被告、関連法人及び海外拠点を分断せず、資金・指示・端末管理の全体構造を捜査すること。
  5. 供述者が報復や不利益を恐れている場合、その懸念を記録し、必要な保護措置や関係機関との連携を説明すること。
  6. 検察官又は検察事務官の情報漏洩、不適正な対応等に関する具体的情報については、最高検察庁監察指導部への情報提供につなげること。

ラストワンマイル社と渡辺誠氏にも、証言が増えることを歓迎していただきたい

ラストワンマイル社及び渡辺誠氏が、これまで指摘されてきた各事項について事実無根であると考えているのであれば、関係者が検察へ正確な情報を提供し、客観資料による検証が進むことを歓迎できるはずです。

元従業員、取引先、被害を訴える方々が、それぞれ独立して検察へ説明することを妨げる理由はありません。口止め、通報者探し、不利益取扱い、証言内容への介入があれば、それ自体が新たな重大問題になります。

「自分たちの説明が正しい」と主張するのであれば、証言と資料が増えることを恐れる必要はありません。むしろ、捜査機関による検証を通じて疑惑を晴らす絶好の機会です。ぜひ堂々と歓迎していただきたいと思います。

一人で抱え込まず、知っている事実を知っている範囲で

検察ユニオンは、ラストワンマイル周辺の問題について直接見聞きした事実や資料を持つ方に対し、一人で抱え込まず、検察庁その他の適切な機関へ相談することを呼びかけます。

必要なのは、大声でも、過激な表現でも、集団による報復でもありません。日時と事実、そして改変されていない資料です。小さな断片でも、独立した複数の証言が重なれば、隠されていた構造が見えてきます。

一人の声を「点」のまま放置しない。点を線にし、線を構造として検証する。それこそが、検察が社会から託されている仕事です。

相談・情報提供に関する注意

  • 被害相談や事件に関する問い合わせと、正式な告訴・告発は別の手続です。
  • 鹿児島地方検察庁は、電子メールやFAXによる告訴・告発には対応できないと案内しています。
  • 相談したことのみで、対面聴取、捜査開始、起訴又は処分結果が保証されるわけではありません。
  • 検察官又は検察事務官の違法・不適正な行為に関する具体的情報は、最高検察庁監察指導部情報提供窓口の対象となり得ます。
  • 虚偽の申告、証拠の加工、関係者間の口裏合わせは絶対に行わないでください。
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