「対面で話を聞く」と言ったなら放置するな―国税から鹿児島地検へ渡された情報提供者を宙に浮かせるな

本件をめぐり、熊本国税局側から鹿児島地方検察庁へ情報や対応が引き継がれ、鹿児島地検から『対面で話を聞きたい』との趣旨を伝えられた方々がいる一方、その後の日程連絡が途絶えているとの申告が寄せられています。

国税から検察へ案件を渡すこと自体は、刑事事件としての処理を進めるために必要な場合があります。しかし、引き継いだ後に情報提供者を放置するのであれば、それは『連携』ではありません。単なる責任の移送です。

検察ユニオンは、鹿児島地検に対し、一度示した対面聴取の意向を曖昧にしたまま、情報提供者の時間、記憶、証拠保全の機会を失わせないよう求めます。

目次

誰でも必ず対面聴取を受けられる一般的権利があるわけではありません

地検に駆け込めば必ず面談、とはいえません

刑事訴訟法上、事件について情報を持つ人が申し出れば、地方検察庁が必ず対面で事情聴取しなければならないという一般的な権利が、すべての情報提供者に一律に認められているわけではありません。

検察庁へ告訴、告発、相談、情報提供を行うことはできますが、どの方法で確認するか、対面聴取を行うか、捜査に利用するかは、事件の内容と証拠の必要性に応じて判断されます。

したがって、『不思議に思うことがあれば誰でも地検へ行けば、必ず対面調査してもらえる』と一般化するのは正確ではありません。

しかし、対面で聞くと伝えた後の放置は別問題です

一方、国税側から具体的な案件の引継ぎを受け、鹿児島地検側が本人へ対面聴取の意向を示したのであれば、何の連絡もなく長期間放置することは、適切な捜査運用とはいえません。

実施するなら日程を調整する。実施しないなら、その旨を連絡する。担当が変わったなら後任を示す。追加資料が必要なら具体的に求める。最低限、それくらいはできるはずです。

国民を鹿児島まで呼び出す書面は短い期限で作れるのに、自分たちが話を聞く日程は決められないのでしょうか。検察のカレンダーだけ、一ページめくるのに数か月かかる仕様なのでしょうか。

対面聴取を先延ばしにすることで失われるもの

記憶と証拠は待ってくれません

時間が経てば、人の記憶は薄れます。端末は買い替えられ、クラウドデータの保存期間は過ぎ、会社の担当者は退職し、海外関係者との連絡も難しくなります。

とりわけ、ラストワンマイル、渡辺誠氏、中野爵喜被告、海外法人、複数の国税局をまたぐ案件であれば、関係者の説明を早期に固定し、客観資料と照合する必要があります。

対面聴取を示唆しながら実施しないことは、単に相手を待たせるだけではありません。捜査機関自身が証拠の劣化を招くことになります。

話を聞かないまま『証拠がない』と言わないでください

情報提供者が、資金の流れ、端末、ログイン情報、実印、会計処理、海外関係者、捜査情報の漏洩疑義について説明できると申し出ているのに、聴取をせず、その後『裏付けが得られなかった』と整理することは許されません。

話を聞かなかったことと、証拠がなかったことは同じではありません。届いた情報を開封しなかった者が、『中には何も入っていなかった』とは言えないのです。

鹿児島地検への公開質問

質問事項

  1. 熊本国税局その他の国税当局から、本件に関する情報提供者、参考人、関係法人の情報を引き継ぎましたか。
  2. 鹿児島地検から、対面で事情を聞きたいとの意向を伝えた方は何名いますか。
  3. そのうち、日程調整が完了していない方は何名いますか。
  4. 連絡が止まっている理由は、担当変更、捜査方針の変更、事務処理の遅延のいずれですか。
  5. 対面聴取を行わないことに変更した場合、本人へその旨を伝えましたか。
  6. 遠隔地の方について、オンライン、電話、出張聴取、最寄りの検察庁を通じた聴取を検討しましたか。
  7. 情報提供者から提出の申出があった端末、LINE、録音、口座資料、会計資料等について、保存方法を案内しましたか。
  8. 聴取の遅延によりデータが消失した場合、どの部署がその責任を検証しますか。
  9. 国税から引き継いだ情報を、受領日、担当者、処理状況が追跡できる形で管理していますか。
  10. 本件の情報提供者に対し、実施するのか、しないのかを明確に連絡する意思がありますか。

情報を持つ方へ――地検への相談はできます。ただし『必ず面談』ではありません

現実的な情報提供の方法

本件について事実を知る方は、鹿児島地検、福岡高検、所轄警察、国税当局その他の適切な機関へ、告訴、告発、相談、情報提供を検討できます。

その際は、誰が、いつ、どこで、何をしたのか、情報が直接見聞したものか伝聞か、どの資料で裏付けられるかを整理し、原本を失わない形で提出することが重要です。

もっとも、情報提供をすれば必ず対面聴取が行われるわけではありません。だからこそ、受領番号、担当部署、提出資料一覧を残し、一定期間後に処理状況を確認できる形にすることが必要です。

丸投げサービスで終わらせないでください

検察ユニオンの見解

国税が『あとは地検です』と言い、地検が『今後連絡します』と言い、その後は誰も連絡しない。この状態を、行政機関同士の連携とは呼びません。

国税から案件を引き受けたなら、鹿児島地検は捜査の必要性を判断し、必要な人から話を聞き、不要と判断したならその運用を組織内で記録してください。

情報提供者を窓口から窓口へ運ぶだけの『丸投げサービス』ではなく、証拠を真実へ運ぶ捜査を実行してください。

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