About us

Global Union(グローバルユニオン)の挑戦

労働問題は、人類の誕生以来つづく最も根深い社会課題の一つです。その起源は、古代における奴隷制度や農奴制にまで遡ることができます。労働は長らく、支配と従属の関係に組み込まれ、「生きるために強いられるもの」として存在してきました。

近代に入り、法的には自由契約の名のもとで労働の権利が整備されましたが、「支配される労働」という本質的構造が根本的に変わったとは言えません。非正規雇用、過労死、ハラスメント、ジェンダー格差、アルゴリズムによる管理など、現代の職場には依然として、抑圧や不平等の構造が多様な形で残り続けています。

さらに、近年の技術革新によって、労働のあり方は急速に変化しています。AIやロボティクス、プラットフォームワークの進展は、働き方に柔軟性をもたらす一方で、「誰が労働者なのか」「働くとはどういうことか」といった、労働の根本的な定義そのものを問い直す時代が到来しています。

このような状況において、私たちGlobalUnionは、従来の枠組みを超えた視点から、労働問題をより広義に解釈し、その抜本的解決に取り組むことを使命としています。

賃金や労働時間の是正といった従来型のテーマだけではなく、働く人の尊厳、自由、安全、社会的包摂を守るための新たな基準づくりに挑み、労働の「正常化」ではなく、労働の再定義を目指しています。それは単に働く人を守るという立場にとどまらず、人が働くとはどういうことか、労働が社会とどう結びつくべきかを、倫理・経済・政治・文化のあらゆる面から問い直すプロジェクトと言えます。

私たちは、国境を越えた共感と連帯を土台に、「搾取なき労働」「誇りある働き方」「人間らしさを失わない生き方」の実現を目指します。

抜本的解決のための第一歩

私たちGlobalUnionは、人類史において最も長く、かつ深刻な社会課題である労働問題に対し、その抜本的解決を目指しています。その第一歩として、私たちは改めて「何が本質的な問題なのか」を問うところから出発しました。

そのなかで注目したのが、労働組合という存在の持つ可能性です。

宗教や国家と並び、労働組合は世界中で法的にも社会的にも強く認知されてきた大規模な組織形態です。多くの国の憲法では、労働者の団結権・団体交渉権は最高法規により明示的に保障されています。これは、労働者の尊厳と権利を守るうえで、国家が組織的連帯の重要性を明確に認めてきたことを意味します。

しかし現実は、その理念と大きく乖離しています。

国際労働機関(ILO)のデータによれば、世界の労働力人口は35億人を超えて年々増加しています。一方で、労働組合の加入率は全体の約10%に満たず、多くの国で減少傾向が続いています。このように、制度としての重要性が依然として高くあり続けているにもかかわらず、実際の参加・活用は逆行しているという、本末転倒な構造が存在しています。

その背景には、労働組合が本来担うべき役割を果たせていない現状や、一部の組織が形式化・形骸化し、労働者からの信頼を損ねてしまっているという事実があります。かつて社会正義の象徴であった労働組合が、今日では誤解や不信の対象となることも少なくありません。

こうした状況を受け、労働組合が本来持っていた「希望」と「解決の力」を再構築する事にしました。すなわち、かつて世界中で生まれたその創設の理念を、現代的な形で最高度に実現するための新しい労働組合モデルを提示します。

公益の追求による抜本的解決

GlobalUnionは、「グローバルで、広義の労働問題の抜本的解決に挑戦すること」を目的とした組合を設立しました。しかし私たちは、「労働組合」という形式にこだわるつもりはありません。
現代において、労働の意味は急速に多様化しており、求められているのは、既成概念や制度的な枠組みにとらわれない、柔軟かつ創造的なアプローチです。

私たちは、公益を最大限に追求しながら、革新的で独立した手法により、これまで解決されなかった本質的な労働問題に挑みます。

そして、グローバルな連帯と共創を通じて、労働問題の抜本的解決という歴史的課題に真正面から向き合う。
これこそが、GlobalUnionが提示する、新たな時代における社会変革のビジョンであり、労働問題の解決を心から願った世界中の法令が目指した制度趣旨であり強い要請であると言えます。

Global Union(グローバルユニオン)の在り方

組織構造

狭義の組合員

GlobalUnionは、加入費・組合費を一切徴収しない、世界初のグローバル労働組合です。
国籍、人種、年齢、性別、職歴などに関係なく、すべての個人が平等に参加できる開かれた組織として設計されています。

従来の多くの労働組合では、高額な加入費や組合費が徴収される一方で、その資金が十分に組合員の利益や支援に使われず、一部の専従職員の報酬や非公益的活動に使われているという批判も多く見られます。その結果として、組合組織率の低下や社会的信頼の失墜を招いているのが現実です。

私たちは、こうした課題の本質に向き合い、無償かつ公益性を重視した新しい組合を創りました。GlobalUnionの運営は、弁護士・会計士・経営者などの専門家を含む、数多くの有志の支援者によって支えられており、無料の労働組合でありながら、持続可能性の高い運営を実現しています。

広義の組合員

私たちは、労働という概念が職業に限定される時代から、より広義で多様な社会参加へと変化していることを重視しています。そのため、従来の「組合員=雇用される労働者」という定義にとどまらず、GlobalUnionの活動に共感し、情報提供や支援を行うすべての人々を、広義の組合員として歓迎しています。

この柔軟な参加構造により、問題の当事者だけでなく、外部から支援しようとする善意ある個人や団体も活動に参加でき、SNSなどのネットワークを通じて社会的インパクトを最大化することが可能です。
また、当事者の心理的・経済的負担を軽減し、より持続可能な支援モデルを構築しています。

グループ団体

GlobalUnionは、公益の実現を目指す他の団体とネットワークを構築し、「グループ団体」としての連携を推進しています。法人格の有無を問わず、私たちの理念や目的に賛同する団体であれば、その独立性を尊重しつつ、支援や助言を行います。

この連携は、組織の中央集権化を避けつつ、緩やかで民主的なネットワーク型連帯を生み出し、各地域・各国で独自の課題解決に取り組む力を育むものです。

活動形態

労働組合としての活動

GlobalUnionの活動の中心には、「労働組合」としての機能があります。
しかし私たちは、既存の制度や枠組みに依存するだけでは、現代の複雑化した労働問題には対応できないと考えています。そのため、法令の形式的な順守にとどまらず、各国の憲法などの最上位法規に根ざした原則的価値に従い、行動する姿勢を大切にしています。

しばしば、下位法や行政運用が憲法の理念や国際的な人権基準に反する状況が見られます。そうした場合、私たちは「法定超労働組合」として、制度的誤りや解釈の不正をただす活動を行います。必要があれば、行政との対立も辞さず、公益と人間の尊厳を最優先に据えた対応を行います。

このような使命を担う以上、各国の法体系や制度に対する深い理解と継続的な研究が欠かせません。GlobalUnionは、法的知見の深化と共有もまた、重要な活動領域と位置づけています。

次世代的活動

GlobalUnionは、公益を実現するための手段として、最新の民主的テクノロジーの活用にも積極的に取り組んでいます。

WEBやSNSといった情報発信インフラはもちろんのこと、ブロックチェーン技術によるDAO(分散型自律組織)型の運営や、仮想現実空間(メタバース)での参加型活動など、物理的制約を超えた新しい形の社会運動を模索・実践しています。

これにより、当事者だけでなく支援者・観察者を含めた幅広い層が、時間や場所にとらわれず公益活動に参加可能となり、組織のスピードと透明性を両立させています。

自由参加型匿名活動

GlobalUnionの活動は、すべての参加が任意であり、匿名での参加を原則として認めています。
その理由は明確で、多くの労働問題は、社会的強者が弱者に対して行う不当な行為であることが多く、被害当事者が名を明かして告発することは、しばしば社会的強者による理不尽な経済的・精神的な報復を招くからです。

私たちはこの現実を踏まえ、組合員が安心して告発・発言・協力できる匿名環境を整備しています。情報発信や行動は、GlobalUnionが提供するツールやチャネルを通じて行うことができ、高い公益性を志す参加者同士の牽制と協力によって秩序が保たれます。

名誉毀損や違法行為の防止については、必要最低限の形式的フィルターのみを設け、各国の法令を尊重した範囲で運営します。匿名性と無償性は、組織の透明性と独立性を確保する上で不可欠であり、利害や忖度から自由な本質的活動を可能にします。

活動内容例

労働者に対して

GlobalUnionは、労働問題が発生した際に、当事者が安心して相談できる労働組合として機能します。
匿名での情報発信が可能な場を提供し、公益通報窓口としての役割も果たします。

また、直接的な問題解決に留まらず、有志の組合員が数の力を発揮することで、顕在化していない潜在的トラブルの未然防止にも貢献します。

  • 職業紹介や海外就労のサポート
  • 住居やインフラなど生活基盤に関する支援
  • 各国の通貨両替や金融に関する支援
  • 世界各地に存在する組合員ネットワークを活用した、企業情報・制度・現地文化の共有

これらの包括的な支援も同時に行うことで、労働者がより良い人生を送るために必要な支援を多角的に提供することが可能となります。

企業に対して

労働者の立場と対になる「使用者」ですが、私たちは使用者と企業を切り離して捉えています。
歴史的にも、労働者と使用者がともに企業を良くしていくという理念が、各国の法制度により保障されてきました。

GlobalUnionの活動は、労働者の福祉を高めるだけでなく、企業が労働者に正しく寄り添う存在になるための支援にもつながります。
この過程において、使用者に依存せざるを得ない構造的な課題も、自ずと解消へと向かうのです。

  • 適切なマッチングによる労働者の紹介
  • 各国で求められるスキル向上のための企業研修支援
  • 労働に関するノウハウやデータの提供によるホワイト企業化のサポート

具体的にはこれらの取り組みを通じて、労働問題の解決に直接的にも間接的にも効果的となる包括的な企業支援を行います。

世間に対して

組合員は、GlobalUnionが保有するあらゆるチャネルを活用して、社会に対して自由に情報発信や通報活動を行うことができます。

現代では、影響力のある個人や巨大企業に対しても、SNSなどを通じて風評的な圧力を与えることが可能となってきています。しかし実際には、それだけでは変化が難しい構造的な対象や、そもそも評価が傷ついても痛みを感じにくい対象も存在します。

そのようなケースに対しては、次のようなより強い介入的アクションを行います。

  • 当該企業・団体への直接的な抗議
  • 国・行政・関係機関への異議申し立て
  • 法令・制度の趣旨に反した運用に対する是正要求

特に、形骸化した法律や、明らかに公益を損ねる制度運用に対しては、個人で立ち向かうことが困難です。
そのため、GlobalUnionが団体として総力を挙げて問題解決に取り組むことで、社会の健全化を図ります。

Global Union(グローバルユニオン)の想い

労働は本来、生きるためだけでなく、人間が社会とつながり、自分を表現する営みであるはずです。しかし現実には、働くことで傷つく人が絶えず、声を上げることすら困難な状況が各地に残されています。

私たちは、なぜこの問題が何世代にもわたり繰り返されてきたのかを問い直し、そしてその根本に切り込むために、GlobalUnionを設立しました。

制度や形式にとらわれず、公益のために誰もが参加できる自由な場として、匿名で安全に声を上げられる仕組みを整え、個人の声が世界に届くネットワークを築いていきます。

労働問題を抜本的に解決することは、人間の尊厳を取り戻すことです。私たちは、国も立場も超えて連帯し、すべての人が誇りをもって働ける社会の実現を目指します。

ja日本語